ベルアールブログ

「お金の流れ」が見えなくなったとき、マンションは一気に危険になる

ここまでで、

  1. 1.修繕積立金が足りない

  2. 2.理事のなり手不足・高齢化で管理組合が回らない

  3. 3.老朽化・空室増加・「準スラム化」のリスク

を見てきました。

4つ目のテーマは、
それら全部の「土台」に関わる話です。

 ④ 会計の不正・不透明さと、管理会社とのトラブル

建物の老朽化よりタチが悪いのは、
「お金がどこにどう流れているかわからない状態」です。

今日は、同じ不安を感じている方に向けて、

  • ・実際にどんなトラブルが起きているのか

  • ・どんなサインが「黄色信号」なのか

  • ・あらかじめ防ぐために、理事会ができること

を整理していきます。


「そんなこと本当にあるの?」という話が、現実に起きている

ニュースや裁判例を見ると、
マンションの会計まわりで、こんなことが現実に起きています。

  • ・理事長や会計担当が、管理組合の口座から私的に引き出していた

  • ・架空の工事をでっち上げて、キックバックを受け取っていた

  • ・管理会社が相場よりかなり高い見積もりで工事を回し続けていた

  • ・管理会社が「善管注意義務」を果たさず、ずさんな会計処理をしていた

もちろん、
まじめに仕事している管理会社・理事会の方が圧倒的に多いです。

でも、

 「うちは大丈夫だろう」でノーチェックにしていると、
 気づいたときには取り返しのつかない額になっていた

…というパターンは、実際にあります。


なぜ会計不正が起きるのか? 3つの構造的な理由

ここで大事なのは、
「人間性が悪かったから」だけで片付けないことです。

会計不正が起こりやすい構造には、
次の3つがあります。

1. お金の動きを見ている人が少なすぎる

  • ・通帳やネットバンキングにアクセスできるのが理事長だけ

  • ・会計報告は年1回の総会で、細かいところは誰も見ない

  • ・領収書や明細は、理事長や管理会社が“持ちっぱなし”

こうなると、

 「やろうと思えば、不正ができてしまう環境」

が自然にできあがります。

2. 理事会に会計・契約の「プロ」がいない

  • ・工事の相場が分からない

  • ・管理委託料が他と比べて高いのか安いのか分からない

  • ・見積書を見ても、どこをチェックすればいいか分からない

その結果、

  • ・管理会社から出された数字を“信じるしかない”状態

  • ・一部の人の判断に依存してしまう

これも、悪意がなくても「高止まり」「ムダ工事」が続く温床になります。

3. 「管理会社=全部やってくれる人」という誤解

本来、管理会社は

  • ・管理組合の“委託先”であって

  • ・上に立つ“親分”ではありません。

ところが現場では、

  • ・「うちのことは全部管理会社に任せてますから」

  • ・「管理会社が言うなら間違いないでしょう」

という空気が強く、
チェック機能が完全に止まっているマンションも少なくありません。


こんなサインが出ていたら、要注意

いきなり不正を疑う必要はありませんが、
「このあたりは黄信号」と思っていいサインを挙げます。

サイン1:決算書が、やけにざっくりしている

  • ・「管理費」「修繕費」などの大きな科目だけで、内訳が見えない

  • ・大きな工事があったのに、その詳細が決算書に書かれていない

  • ・「前期繰越」「当期繰越」だけで、途中の動きが説明されない

こういう時は、

 「見せている情報」と「実際の動き」にギャップがある可能性

を疑った方がいいです。

サイン2:理事会・総会で、数字の質問が出ない/出せない空気

  • ・「難しい数字の話はいいですよ」と、誰も聞きたがらない

  • ・管理会社の担当者の説明が早口&専門用語だらけ

  • ・質問しようとした人が、場の空気で黙ってしまう

数字を質問しなくなった瞬間、
会計は一気に「ブラックボックス」になります。

サイン3:同じ業者にばかり発注が続き、見積もり比較がない

  • ・大規模な工事でも、毎回同じ会社に“当然のように”決まる

  • ・見積もりが1社だけ

  • ・理事会の議事録に「なぜその業者にしたか」の理由が書いていない

必ずしも不正とは限りませんが、

 「相見積もりを取っていない」
 「競争原理が働いていない」

状態が続くと、
割高な工事が積み上がっていきます。

サイン4:管理会社が、資料の開示やコピーにやたら消極的

  • ・通帳コピーや明細の提供をお願いすると、露骨に嫌な顔をする

  • ・電子データでの提供を拒み、紙で閲覧だけと言う

  • ・「それは理事長さんだけに」「それは総会に出した分だけで十分です」

正当な理由がある場合もありますが、
この態度が続くマンションは、
「見られて困るものがあるのでは?」と疑ってもいいラインです。


事前にできる「防止策」5つ

では、どうやって会計不正を防ぐか。

ここで必要なのは、
「人を信用しない」ことではなく、
「仕組みで守る」発想
です。

防止策1:お金は必ず「分別管理」を徹底

  • ・管理費会計と修繕積立金会計は、口座も帳簿も完全に分ける

  • ・管理会社の口座と、管理組合の口座を混在させない

ここは基本中の基本です。

「管理会社名義の口座にまとめて入れておきます」は、
どれだけ相手を信用していてもNGです。

防止策2:通帳・明細・ネットバンキングの「複数閲覧権限」

  • ・通帳や明細を見られる人を、理事長1人に限定しない

  • ・副理事長・会計担当・監事など、最低2〜3人は閲覧できるようにする

  • ・ネットバンキングのID・パスワード管理も、分散して行う

「見る人を増やす」だけで、
不正のハードルは一気に上がります。

防止策3:予算と実績を“毎回”照らし合わせる

  • ・年1回の決算だけでなく、
     3ヶ月〜半年に1回は、理事会で収支報告をチェックする

  • ・「予算:○○円だった項目が、実績で△△円になっている」

  • ・「大きな差があるなら、その理由を確認する」

これを続けていくと、

  • ・毎年同じ項目が予算オーバーになっている

  • ・特定の業者への支払いが増え続けている

といった“クセ”が見えてきます。

防止策4:工事は「設計(仕様書)と施工」を分けて考える

大規模修繕などの高額工事ほど、

  • ・設計・監理(工事の内容を決めてチェックする人)

  • ・施工(実際に工事をする会社)

を分ける方が安全です。

  • ・「工事会社が自分で仕様を決めて、自分で見積もりして、自分で施工する」

  • ・しかも相見積りなし

このセットは、
割高・不透明・トラブル予備軍になりやすい形です。

防止策5:監事や第三者の「チェック役」を本気で機能させる

  • ・監事には、ちゃんと数字を見れる人・見ようとする人にお願いする

  • ・年に1回は、会計士・マンション管理士など第三者にスポットチェックを依頼する

  • ・「おかしいところがあれば、管理会社にも理事長にも遠慮なく突っ込んでほしい」と事前に伝えておく

「何も問題が見つからなかった」という結果が一番いいのですが、
それを証明するためにも、定期的な外部チェックは価値があります。


それでも「怪しい」と感じたら、どう動くか

「もしかして、うちはすでに…?」
そう感じている方もいるかもしれません。

そのときに、
いきなり管理会社を敵に回すと、
話がこじれて前に進まなくなります。

順番を意識するのが大事です。

① まず理事会の中で「事実確認」を徹底

  • ・決算書・通帳・明細・工事見積もり・請求書などを揃える

  • ・「数字だけ」でおかしな点を洗い出す

  • ・感情的な言葉ではなく、「事実としての矛盾」を整理する

ここを曖昧なまま「怪しい」と騒ぐと、
逆にこちら側が不利になります。

② 管理会社に対して、書面で説明を求める

  • ・理事会名義で、具体的な点を整理して質問状を出す

  • ・口頭説明だけで終わらせず、回答も書面でもらう

  • ・可能なら、そのやり取りを議事録に残しておく

これで説明がつくケースもありますし、
逆に説明が苦しい場合は、それも記録として残ります。

③ 第三者(マンション管理士・弁護士・会計士)に相談する

  • ・「どこまでが許容範囲で、どこからがアウトか」

  • ・「契約違反・法令違反にあたるのかどうか」

これは、素人判断では難しい分野です。
早めにプロの目を入れた方が、
結果的に安く・早く終わることも多いです。

④ 管理会社の変更も選択肢に入れる

  • ・説明責任を果たさない

  • ・明らかなミス・不誠実な対応が続く

こういう場合は、

 「どう改善してもらうか」だけでなく、
 「そもそも委託先を変える」という選択肢

も視野に入れるべきです。

ただし変更には、

  • ・新しい管理会社の選定

  • ・契約条件の比較

  • ・引き継ぎの段取り

など手間もリスクもあるので、
冷静にメリット・デメリットを比較する必要があります。


「疑うために見る」のではなく、「守るために見る」

会計不正や管理会社とのトラブルの話をすると、
どうしても空気がピリピリしがちです。

でも、本当に大事なのはここです。

 決算書や工事費をチェックするのは、
 「誰かを疑うため」ではなく、
 「みんなのお金と資産価値を守るため」。

  • ・管理会社の担当者だって、
    きちんとチェックしてくれる理事会の方が仕事はしやすい。

  • ・理事長だって、
    一人で背負うより、数字を一緒に見てくれる仲間がいた方が心強い。

監視ではなく、健全な「見張り」です。


いま、不信感で疲れている理事さんへ

「なんとなく、お金のことをまかせきりで怖い」
「管理会社を疑っている自分がイヤになる」
「総会で質問すると、嫌な顔をされてつらい」

そんな気持ちを抱えている理事さんもいると思います。

でも、忘れないでください。

 会計や工事の中身を知ろうとするのは、
 わがままでも、ケチでもありません。
 「自分の家のお金の流れを知りたい」と思うのと同じ、ごく自然な感覚です。

あなたが数字に目を向けることは、
マンション全体にとっての防波堤になっています。


次回は「⑤ 建替え・長寿命化工事の合意がまとまらない」へ

ここまでで、

  1. 修繕積立金

  2. 理事のなり手不足

  3. 老朽化・準スラム化

  4. 会計不正・管理会社とのトラブル

と、「マンション運営の4つの地雷」を見てきました。

次は、
その集大成ともいえるテーマ――

⑤ 建替え・長寿命化工事の合意がまとまらない問題

について、

  • ・どうして合意形成がこんなに難しいのか

  • ・「建替え vs できるだけ延命」の現実的なライン

  • ・決められないまま時間だけが過ぎていくのを防ぐ方法

を整理していきます。

「うちのマンションも、お金と管理会社のことでモヤモヤしている」と感じたら、
この記事を理事会のメンバーや、関心のありそうな住民にそっとシェアしてみてください。

それだけでも、
“お金の流れを見ようとする人”が一人増えるきっかけになります。

前回までで、

  1. 1)修繕積立金が足りない

  2. 2)理事のなり手不足・高齢化で管理組合が回らない

という話をしました。

これら2つの問題を放置すると、
その先に待っているのが、

「老朽化が進み、空室が増え、マンション全体が“準スラム化”していくリスク」

です。

今日は、同じ不安を感じている方に向けて、

  •  ・何が起きたら黄色信号・赤信号なのか

  •  ・そこから「坂道を転げ落ちない」ために何ができるのか

を、できるだけ具体的に整理してみます。


「準スラム化」って、どういう状態?

ニュースなどでも、

  •  ・老朽マンション

  •  ・管理不全マンション

  •  ・空き家マンション

という言葉が出てきますが、
イメージとしてはこんな状態です。

  •  ・外壁が汚れ・ひび割れ・錆びでボロボロ

  •  ・エントランスや廊下の照明が暗く、壊れても放置

  •  ・共用部にゴミや私物が放置されている

  •  ・エレベーターや設備の故障が増える

  •  ・空室や賃貸の入れ替わりが激しくなり、「短期入居者」ばかりになる

  •  ・住んでいる人のモラルが落ち、騒音・ゴミ・違法駐車などのトラブルが増える

ひと言でいうと、

 「なんとなく、近寄りたくない雰囲気のマンション」

これが“準スラム化”の実態です。

ここまで来ると、

  •  ・売ろうと思っても買い手がつかない

  •  ・買い手がついても価格が想像以上に安い

  •  ・ローン審査も厳しくなる

という、「出口が細くなる」状況に入っていきます。


どうしてそうなるのか? 3つの悪循環

「うちのマンションも、将来そうなるのでは…」
と不安になる前に、
まず仕組みを冷静に見てみましょう。

大きく分けると、原因は3つです。

1. 「お金」の悪循環

  •  ・修繕積立金が足りない

  •  ・長期修繕計画を見直してこなかった

  •  ・大規模修繕のタイミングを逃した

その結果、

  •  ・外壁・防水・配管・設備の劣化が目に見えて進行

  •  ・「このマンション、ぼろいな」という印象になり、
     買い手・借り手が減る → 空室が増える → 収支がさらに苦しくなる

というループに入ります。

2. 「人」の悪循環

  •  ・理事のなり手がいない

  •  ・高齢の理事長が一人で抱え込んでいる

  •  ・面倒そうな議題(値上げ・大規模修繕・ルール変更)ほど先送り

すると、

  •  ・トラブル対応が遅れる

  •  ・不良入居者が居座る

  •  ・ルール違反を注意できる人がいない

結果として、
真面目な住民ほど「もう引っ越そうか」と考え、
モラルの低い層だけが残りやすくなります。

3. 「ルール」の悪循環

  •  ・管理規約が古いまま

  •  ・民泊・ペット・楽器・EV充電など新しいテーマに追いついていない

  •  ・ゴミ出しや駐輪場のルールも曖昧

こうなると、

  •  ・“グレーゾーン”を突いた行為が増える

  •  ・注意しても「規約に書いてない」と開き直られる

  •  ・結果として、“注意する方”が疲れて去っていく

マンションは「人+お金+ルール」のバランスで成り立っています。
この3つが同時に崩れ始めると、
下りのエスカレーターみたいな状態になっていきます。


「黄信号」と「赤信号」を見極めよう

いきなり崩壊するわけではありません。
多くのマンションには、
わかりやすい「黄信号」「赤信号」のサインがあります。

黄信号レベル(今ならまだ戻せる)

  •  ・大規模修繕の時期が来ているのに、話が進まない

  •  ・修繕積立金の値上げの議論が「毎年流されている」

  •  ・理事会の出席者が毎回ほぼ同じメンバー

  •  ・共用部の小さな不具合(照明1個・床のタイルなど)が長く放置されている

  •  ・ゴミ出しのルール違反が目立ち始めた

この段階はまだ「戻せるゾーン」です。

 「なんとなく荒れてきたな」
 と感じたタイミングで動けるかどうかが、
 将来の分かれ道になります。

赤信号レベル(かなり危険)

  •  ・修繕積立金の残高が、直近の大規模修繕費にも足りない

  •  ・滞納者が目立って増えている

  •  ・管理費の支払い遅延で、管理会社が委託契約の見直しを言い出している

  •  ・空室率が高く、短期賃貸やややグレーな入居者が増えている

  •  ・共用廊下やエントランスにゴミ・粗大ごみ・私物が長期間放置されている

  •  ・夜間、エントランス周りの雰囲気が明らかに悪い(騒音・たまり場化など)

このレベルに入ると、

 「もうやめよう」と考える住民が増え
 「とりあえず安く貸そう」「売り抜けよう」という動きが加速

さらに質の悪い入居者が入りやすくなり、
一気に坂道を転げ落ちます。


そこから戻るために、何ができるのか

「もうダメなのかな…」
と思ってしまうかもしれませんが、
まだできることはあります。

1. まず「現状を見える化」する

  •  ・修繕積立金の残高・今後10〜15年の修繕予定

  •  ・空室率・賃貸化率(投資用として持っている人の割合)

  •  ・滞納の状況

  •  ・設備の更新時期(エレベーター・ポンプ・配管など)

数値で現状を整理しないと、
話し合いは感情論になってしまいます。

「なんとなくヤバい」から抜け出して、

 「あと何年で、どの工事に、いくら必要なのか」
 「そのときに足りない金額はいくらか」

をまず数字にしてしまうこと。

ここからしか、逆転のストーリーは始まりません。

2. 「資産価値」の言葉で説明する

  •  ・見た目が古くなる

  •  ・管理状態が悪くなる

  •  ・空室やトラブルが増える

この状態はそのまま、
マンションの「価格」に跳ね返ります。

理事会で話すときも、

  •  ・「みんなで頑張りましょう」ではなく

  •  ・「今これをやらないと、10年後に売るとき○○万円安くなります」

という説明の方が、
はるかに人は動きます。

  「住み心地」+「出口(売却)の値段」
  この2つをセットで示すことが、
  住民の意識を変える一番のスイッチになります。

3. 「全部は無理」だから優先順位を決める

老朽化が進んでいるマンションほど、

  •  ・やらなきゃいけないことが山のようにあります。

全部を一度にやろうとすると、
お金も人も、確実にパンクします。

だからこそ、

  「絶対に先送りしてはいけないこと」
  「先送りしてもまだ致命傷にならないこと」

を分ける必要があります。

最優先で守るべきは、

  •  ・安全・防犯に関わる部分

  •  ・構造・防水(外壁・屋上・バルコニーなど)

  •  ・法令上の義務(消防・設備点検など)

逆に、

  •  ・美観アップのための装飾タイル

  •  ・過剰な共用施設のリニューアル

  •  ・なくても困らない設備の入れ替え

こういったものは一旦横に置き、
「壊れたら致命傷」になる部分から手を付ける方が現実的です。

4. 「住民の質」を守る仕組みを整える

荒れていくマンションの特徴は、

 「住む人を選ぶ仕組みがない」
 「ルール違反に対して、何もできない」

ことです。

最低限やっておきたいのは、

  •  ・管理規約と使用細則の見直し

    •    ペット・民泊・短期賃貸・ゴミ・騒音・駐輪など

  •  ・ルール違反に対する「段階的な対応フロー」を決める

    •    ①口頭注意 → ②書面通知 → ③内容証明 → ④法的手段の検討

これをきちんと整えた上で、

 「ここは、きちんとルールを守る人のためのマンションです」

というメッセージを出していくこと。

それが、
「いい住民が残りやすい環境」を作り、
結果として資産価値を守ることにつながります。


もしあなたが「今住んでいる側」だとしたら

いま読んでいるあなたが、
そのマンションに実際に住んでいる一人なら

できれば、

  •  ・理事会の議事録を一度、ちゃんと読んでみてください。

  •  ・総会に、一度でいいので参加してみてください。

そこで、

 「このまま行くと本当に危ないな」

と感じたら、
できる範囲で構いません。

  •  ・一年間だけでも理事を引き受ける

  •  ・「資料作りなら手伝えます」と名乗り出る

  •  ・専門家への相談を、理事会に提案する

その一歩は、
マンション全体にとっては想像以上に大きな一歩です。


もしあなたが「投資家として見ている側」だとしたら

これからマンションを買おうとしている人、
すでに投資用に持っている人なら、
見るべきポイントはシンプルです。

  •  ・修繕積立金残高と、長期修繕計画の中身

  •  ・滞納率・空室率・賃貸化率

  •  ・共用部の“空気”と、掲示板の内容(苦情の多さ)

  •  ・理事会や総会がきちんと機能しているか

これらはすべて、

 「このマンションが、
 将来も“まともな資産”として残るかどうか」

の診断材料になります。


おわりに:坂道を“上る側”に回るという選択肢

老朽化・空室増加・準スラム化の話は、
どうしても暗くなりがちです。

でも、覚えておいてほしいのは、

 マンションは、人が諦めたときにだけ、本当に崩れていく

ということです。

  •  ・現状を数字で見える化する人

  •  ・面倒な議題をちゃんとテーブルに乗せる人

  •  ・「資産価値」という言葉で説明しようとする人

こういう人が一人でも増えると、
マンション全体は少しずつ“坂道を上る側”に回っていきます。

次回は、
この「準スラム化リスク」とも密接に関わってくる

 ④ 会計不正・管理会社とのトラブル

について、

  •  ・どこからが「怪しいライン」なのか

  •  ・防ぐためには何をチェックすべきか

  •  ・トラブルになったとき、どこに相談すればいいのか

を整理していきます。

いま心のどこかで、
「うちのマンション、少し危ないかも…」と感じているなら、
それはきっと“早めの黄信号”です。

その感覚を、
どうか無視しないであげてください。

② 理事のなり手不足・高齢化で管理組合が回らない

前回は、
① 修繕積立金が足りない問題について書きました。

でも実は、その前に立ちはだかる
もっと根っこの問題があります。

それが、

② 理事のなり手不足・高齢化で、管理組合がそもそも回らない

という現実です。


「理事になってくれませんか?」と言った瞬間の、あの空気

総会の終盤、議長がこう切り出します。

「では次期の理事さんを選任したいと思います…」

その瞬間、
みんな一斉に資料を見始めたり、スマホを触り出したり、
急に咳払いが増えたりしませんか。

  • 「仕事が忙しくてとても…」

  • 「高齢なので体力的に難しいです」

  • 「前やりましたから、今度は別の方で…」

どれも本音だし、責められません。
でも結果として、

  • 同じ人が何期も続けて引き受ける

  • 高齢の理事長一人に負担が集中する

  • 誰も手を挙げず、ギリギリで“くじ引き”に逃げる

こうして、
「管理組合は存在するけど、実質機能していない」 というマンションが増えています。


なぜ理事が集まらないのか? 3つの本音

表向きの理由はいろいろですが、
根っこの本音はだいたいこの3つです。

1. 「責任が重そうで怖い」

  • 何かあったら自分が責任を取らされるんじゃないか

  • 決めたことにクレームが来たら、自分が矢面に立つのでは?

こう感じている人は多いです。

ニュースで「管理組合理事長が…」という見出しを見るたびに、
「やっぱり関わらない方が安全だ」と思ってしまうのは自然な反応です。

2. 「何をやればいいのか、よくわからない」

  • 仕事の中身が見えない

  • 規約や議事録を読んでも専門用語だらけ

  • 前の理事からの引き継ぎもほぼ口頭だけ

こうなると、人は本能的に

「よく分からないものには関わりたくない」

と感じます。

3. 「やっても評価されない・感謝されない」

  • ボランティアなのに時間を大量に取られる

  • 何か決めるたびに文句だけ言われる

  • 住民から「管理会社がやるもんだと思ってた」と言われる

これでは、

「誰が好き好んでやるんだろう…?」

となってしまいます。


でも、理事会が機能しないと何が起きるか?

理事会が“名ばかり”になると、
短期的には何も起きないように見えます。

管理会社が最低限のことはやってくれるし、
エレベーターも動くし、ゴミも回収されます。

しかし、中長期では確実にこうなります。

  • 長期修繕計画の見直しができない

  • 修繕積立金の値上げなど「嫌われる決断」が先送りされる

  • 建物の老朽化とともに、資産価値がジワジワ落ちていく

そしていざ、

  • 大規模修繕

  • エレベーターの更新

  • 配管の大規模交換

といった“重たい決断”が必要になったとき、
誰も決められない・誰も仕切れない という地獄がやってきます。


解決のカギは「頑張る人を増やす」ではない

よくある間違いは、

「もっとみんなが協力してくれれば…」
「住民意識が低いからダメなんだ」

と、“人の意識”のせいにしてしまうことです。

でも、ここで発想を変えた方がいい。

「立派なボランティア」を増やすのではなく、
「普通の人でもできる仕組み」に変える

これが、理事のなり手不足に対する本質的な処方箋です。


ステップ1:理事の仕事を「重役」から「パートタイム」に分解する

まず最初にやることは、
理事の仕事を細かく分解して、軽くすること です。

1. 仕事を“タスク”に分けて見える化

例えばこんな感じです。

  • 総会の準備(議案書の確認・日程調整)

  • 理事会の開催(年○回、1回○時間)

  • 管理会社との打ち合わせ

  • 修繕・トラブル時の対応(メール確認・承認作業 など)

  • 年1回の決算・予算確認

これを一覧にして、

  • 年にどのくらい時間がかかるのか

  • どの作業はメールでできて、どの作業は対面が必要か

を具体的に書き出します。

「何をするか分からない不安」を
「これくらいならできそう」に変えるための作業です。

2. 役割を“細かく”分ける

次に、
理事長・副理事長・会計・書記…
みたいな従来の区分だけではなく、

  • オンライン担当(メール・掲示板の更新など)

  • 会計チェック担当(数字を見るのが得意な人)

  • 総会・イベント担当(人前で話すのが平気な人)

といった形で、“得意分野”ごとに細かく役割を切ります。

「全部を1人に押し付ける」
から
「ちょっとずつ分け合う」

に変えるイメージです。


ステップ2:「専門的なところは外注する」と割り切る

理事の負担が重くなる最大の原因は、

専門的な仕事まで、素人の理事が抱え込もうとすること

です。

外に出してしまった方がいい仕事

  • 長期修繕計画の作成・見直し

  • 大規模修繕の仕様書作成・見積もり比較

  • 会計監査・不正防止のチェック

  • 規約や細則の改定(法律が絡む部分)

こういった仕事は、本来、

  • マンション管理士

  • 一級建築士・設計事務所

  • 会計士・税理士

  • 弁護士

といった“プロ”に任せた方がいい分野です。

お金はかかりますが、

専門的な判断を外注することで、
理事の心理的負担が一気に軽くなる。

その結果として、

  • 「自分たちは、プロの提案を理解して選ぶだけでいい」

  • 「判断の根拠を“プロの意見”として住民に説明できる」

という状況が生まれます。

これだけでも、

「理事なんて、とても無理です」

と言っていた人が、
「それなら自分にもできるかもしれない」と
一歩前に出やすくなります。


ステップ3:“くじ引き”ではなく“希望制+交代ルール”にする

次に大事なのが「選び方」です。

1. くじ引きは“最後の手段”にする

  • いきなり「ランダムで当たった人がやる」

  • しかも期間が長い(2年・3年)

これは、誰が見ても「罰ゲーム」です。

そうではなく、

2. まずは“希望制+短期”から

  • 1〜2年ごとに「理事立候補」の募集をかける

  • 「こんな感じの仕事です」「このくらいの時間です」と具体的に伝える

  • 「1年だけ」「この役割だけ」という参加の仕方もOKにする

「理事長は無理だけど、
会計補佐なら1年くらいならやってもいいかも」

こういう人が必ず出てきます。

3. 「一度やったら当分免除」のルールを見える化

  • 一度理事をやった人は、○年間は免除

  • 高齢者・持病がある人・シングルで子育て中などは配慮対象

みたいな “免除ルール” をきちんと決めておく。

そうすると、

「いつ当たるか分からない恐怖」
から
「一回やっておけばしばらく休める安心感」

に変わります。


ステップ4:高齢理事長“一人におんぶ”をやめる

築年数が古いマンションでは、
70代・80代の理事長が頑張っているケースをよく見ます。

本当に頭が下がるのですが、
これには大きなリスクもあります。

  • 健康上の理由で急に続けられなくなる

  • インターネットやデジタルツールが使いづらく、情報が偏る

  • 一人で抱え込みすぎて、ある日突然「もうやめた」と燃え尽きる

解決の方向性は「二人三脚」+「世代ミックス」

  • 高齢の理事長の“経験値”は大きな資産

  • そこに、

    • 40〜50代の現役世代(IT・資料作り・数字に強い)

    • 30代の若手世代(SNS・オンラインツールに強い)

が加わることで、理事会のバランスは格段に良くなります。

理想形は、

  • 名実ともにトップは高齢の理事長

  • 実務の多くは副理事長・若手理事が分担

  • メール対応・オンライン会議・資料作成は“若い人担当”

みたいな“チーム体制”です。


ステップ5:理事会を「クレーム処理係」から「資産価値を守るチーム」に変える

理事になりたくない理由の一つに、

「文句言われるだけの役割」

というイメージがあります。

ここを意識的に変えていくことも大事です。

1. 「何のために理事会があるのか」を言葉にする

例えば、こんなメッセージを総会資料の最初に書くだけでも違います。

このマンションの理事会は、
「住みやすさ」と「資産価値」を守るための代表チームです。
クレーム処理係ではなく、
10年後・20年後の私たちの暮らしを設計する役割を担っています。

言葉を変えると、
その役割に感じる“価値”も変わってきます。

2. 「評価される経験」に変えてあげる

  • 年1回、「理事会だより」でやったことを分かりやすく共有する

  • 「今回の修繕で、これだけ費用を抑えました」

  • 「この値上げで、将来の一時金○○万円を避けられます」

こうして“成果”を言語化して出してあげると、
理事をやった人の中に、

「大変だけど、やってよかったかもしれない」

という感覚が残ります。

その空気は、確実に次の世代の理事候補に伝わっていきます。


いま、理事長として疲れているあなたへ

もしこの記事を読んでいるあなたが、
現役の理事長や理事だとしたら、
もしかしたらこんな気持ちを抱えているかもしれません。

  • 「もういい加減、誰か代わってよ…」

  • 「でも代わりがいないから言い出せない」

  • 「自分が倒れたら、このマンションどうなるんだろう」

その不安も、疲れも、全部とても自然なものです。

でも、ここだけは覚えておいてほしい。

あなたの役割は、「全部一人で頑張ること」ではない。
「みんなで回せる仕組みを作って、次の人にバトンを渡すこと」です。

  • 仕事を分解して軽くする

  • 専門的なところはプロに任せる

  • 選び方のルールを変える

  • 高齢者と現役世代の“二人三脚”体制にする

このあたりを少しずつでも整えていけば、
「理事になりたくないマンション」から
「理事なら、1回くらいはやってもいいかも」のマンション
に変わっていきます。


次回は「老朽化・空室増加・準スラム化リスク」の話へ

ここまでで、

  1. 1)修繕積立金が足りない

  2. 2)理事のなり手不足・高齢化で管理組合が回らない

この2つを見てきました。

次は、
その先にあるもっと厳しいテーマ――

③ 老朽化と空室増加で「準スラム化」していく不安

について、

  • 何が起き始めたら“黄色信号”なのか

  • どうやって早めに手を打てるのか

  • 投資家・居住者それぞれの視点から何を見ておけばいいか

を整理していきます。

「うちも理事が集まらないんだよな…」と感じたら、
この記事を、
理事会の仲間やマンションのLINEグループに
そっと投げ込んでみてください。

それが、
この“静かな危機”を少しずつ動かす
最初の一歩になるかもしれません。

いま、全国のマンションでよく聞く悩みは、だいたい次の6つに集約されます。

  1. ①修繕積立金が足りない

  2. ②理事のなり手がいない・高齢化で運営が回らない

  3. ③老朽化と空室増加で「準スラム化」していく不安

  4. ④会計の不透明さ・横領・管理会社とのトラブル

  5. ⑤建替えや長寿命化工事の合意がまとまらない

  6. ⑥民泊・ペット・騒音・EV充電など、日常トラブルが増えている

どれも一つひとつが重いテーマですが、
共通しているのは

建物は年を取るのに、
お金と人とルールのアップデートが追いついていない

という点です。

このシリーズでは、
同じことで悩んでいる理事長さん、理事さん、区分所有者の方に向けて、
「責めない」「一人で抱え込まない」を前提に、
それぞれの問題と現実的な打ち手を一緒に整理していきます。

今日はその中でも、いちばん多くのマンションがぶつかっている

① 修繕積立金が足りない問題

に絞って、解決の方向性と、心の持ち方も含めてお話しします。


1. まず、「誰のせいか探し」をやめるところから

「修繕積立金が足りません」
「このままだと大規模修繕ができません」

こう言われると、ついこう考えたくなります。

  • 前の理事会がちゃんとやらなかったからだ

  • 管理会社がちゃんと説明しなかったからだ

  • 自分が引き受けなければよかった…

でも、ここが一番大事なポイントです。

あなたがダメだから足りなくなったわけではありません。

多くのマンションは、スタートの時点で

  • 「販売しやすいように、管理費・修繕積立金を低めに設定する」

という“営業上の事情”を抱えたまま売り出されています。
さらに、建設費や人件費がどんどん上がっているのに、
長期修繕計画も積立金も見直されてこなかった

つまり今の状況は、

新築時の設計ミス+その後の放置のツケが、
たまたま「今の理事会」に回ってきているだけ

とも言えます。

だから最初にやるべきことは、

  • 犠牲者探し
    ではなく

  • 「どれくらい足りないのか」を冷静に把握すること

ここからしか話は始まりません。


2. ステップ1:「本当にいくら必要なのか」を出し直す

「足りない足りない」と言われても、
具体的に “いくら不足なのか” が見えないと、誰も動けません。

① 長期修繕計画を“今の時代用”にアップデート

築年数がそこそこ経ったマンションの長期修繕計画は、

  • 古い単価で作られたまま

  • 型だけ整えた、ほぼ“飾り”

になっていることも多いです。

ここを一度、きちんとやり直します。

  • 外壁・屋上防水・廊下やバルコニー・配管

  • エレベーター・ポンプ・受水槽・機械式駐車場 など

「今の工事単価」で
30〜40年スパンの修繕スケジュールと概算費用を出し直す。

ここをケチると、
将来また同じセリフを言うことになります。

② 国の“目安”と自分たちのマンションを比べる

国のガイドラインには、
マンションのタイプ別に「修繕積立金の目安(月額)」が出ています。

ここでやることはシンプルです。

  • 自分のマンションの現状の積立金

  • ガイドラインの目安金額

を並べる。

これをやるだけで、

「そもそもスタートが安すぎた」
「いまの金額は“普通”ではない」

という現実が、感情抜きで見えてきます。

これは、
「理事会が勝手に高い金額を要求しているわけじゃない」
と伝えるための、強い材料にもなります。

③ 「このまま行くと、いつ・いくら足りないか」を可視化

住民の意識を変えるスイッチは、ここです。

  • 今の積立ペースを続けると、

    • 10年後の大規模修繕で △△万円不足

    • 20年トータルで見ると、1戸あたり ○○万円の赤字

みたいな形で、時期と金額をセットで見える化します。

グラフにして、

  • 緑のライン:本来必要な積立額

  • 赤のライン:現状の積立額

  • 交わったところが「資金ショートする年」

こうやって図で見せると、

「なんか足りないらしい」
→ 「このままなら確実に詰む」

に変わってきます。


3. ステップ2:積立金を“現実的なペース”で上げる

必要額が見えてきたら、次の勝負はこれです。

「どのくらいのペースで、その水準まで近づけるか」

① 目標は「均等積立」に近づける

理想は、

将来必要になる金額を、毎月コツコツ均等に積み立てる形

です。

ただ、現実には

  • 現在:7,000円/月

  • 理想(均等積立):15,000円/月

みたいな差が出るマンションもあります。

ここで

  • 「来月から15,000円でお願いします」

と言ったら総会が爆発します。

なので、現実的なやり方は、

② 段階的な“値上げカーブ”を決める

例えばこんなイメージです。

  • 今年〜3年後:月7,000 → 10,000円

  • 4〜6年後:月10,000 → 13,000円

  • 7〜10年後:月13,000 → 15,000円

こうした 「いつ・いくらに上がるか」
年表とグラフで住民に示します。

ここで大事なのは、

  • 何年後に「資金ショートしない状態」になれるのか

  • それまでに来る大規模修繕をどう乗り切るのか

を、セットで示すこと。

③ 住民への説明は「順番」が命

修繕積立金の値上げは、
どうしても感情的な反発が出やすいテーマです。

だからこそ、説明の順番が大事です。

  1. 今のまま行くとどう破綻するか

    • 「何年後に」「いくら足りなくなるか」

  2. 本来必要な額(均等積立)のライン

  3. その差を、何年かけて埋めていくか(シミュレーション)

  4. 値上げしなかった場合の“もっと痛い未来”

    • 一時金100万円請求

    • 修繕できずに資産価値が大きく下がる

    • 「売りたくても買い手がつかないマンション」になる

人は、
「嫌なこと(値上げ)」だけを聞くと全力で拒否しますが、

「もっと嫌な未来を避けるための、まだ軽い痛み」

だと納得しやすくなります。


4. ステップ3:直近の工事資金は「4枚のカード」で乗り切る

積立金の設計を直しても、こういうケースは多いはずです。

  • 「でもウチ、3年後に大規模修繕が来るんだよ…」

  • 「その前に外壁が危ないって言われている」

この“目の前の工事”をどうするかは、
次の4つのカードの組み合わせで考えます。

① 工事内容・仕様・業者の見直し

  • 優先度の高い工事(構造・防水・安全)は削らない

  • 美装系・快適性アップ系は一部先送りも検討

  • 見積もりは必ず複数社から取り、可能なら第三者に確認してもらう

「安さだけで選ぶ」のは危険ですが、
無駄なグレードアップ工事が紛れ込んでいるケースも多いです。
“守るべきところ”と“削ってもいいところ”を仕分けするだけで、
数%〜数十%下がることもあります。

② 一時金徴収(臨時の負担)

  • 足りない分を戸数割りして、一時金として集める方法です。

  • 仕組みは単純でわかりやすいですが、

    • 金額が大きいと「払えない層」が必ず出る

    • 滞納が増えると、さらに状況が悪化する

なので、

「全部を一時金で賄う」は基本NG。
足りない分の一部を補う手段と割り切る方が安全です。

③ 管理組合としての借入(ローン)

  • 管理組合名義でローンを組み、
    工事費をいったんまとめて調達する方法です。

メリット:

  • 一時金を用意できない人を救済できる

  • 必要な工事を先送りせずに済む

デメリット:

  • 利息負担が出る

  • 積立金+返済で、毎月の負担は重くなる

ここは、

  • 「どのくらい借りて」

  • 「何年で返済して」

  • 「その間、積立金をどこまで上げるか」

をセットで設計しないと、
『第二の資金不足』を将来に作ることになります。

④ 工事の分割・時期の調整

  • 緊急度の高いところだけ先にやる

  • 優先度が低い部分は次回に回す

こうやって、一度に必要な金額を圧縮する方法です。

ただし、

延ばしてはいけない工事(構造・防水・安全)は絶対に後回しにしない

ここを間違えると、
劣化が進んで結果的にトータルコストが増えることもあります。


5. ステップ4:10年後にまた詰まないための「仕組み」を作る

今のピンチを乗り越えただけで終わると、
10年後にまた同じことが起きます。

そうならないために、最低限これだけは決めておきたいです。

  1. 長期修繕計画を5年ごとに見直すルール化

  2. 毎回、国の目安と自分たちの積立金を比較する

  3. 積立金の改定プロセスを規約・細則に書いておく

    • 「長計見直しの結果、必要額との差が○%以上なら改定案を必ず総会に上程する」など

  4. 会計の透明化

    • 管理費と修繕積立金を分別管理

    • 決算書を全戸に配布し、専門用語をかみ砕いた説明資料も添える

    • 必要に応じてマンション管理士や会計士など外部の目を入れる

一度ルールを作ってしまえば、
誰が理事長になっても、
「仕組みとして見直し・値上げの議論が自動的に起動する」状態にできます。


6. いま不安を抱えている理事さんへ

もしあなたが今、

  • 「自分の判断が間違っていたらどうしよう」

  • 「住民から責められたらと思うと怖い」

  • 「こんな大きなことを自分が決めていいのか…」

と感じているなら、
その不安はとても自然なものです。

でも、覚えておいてほしいのは、

あなた一人が“完璧な正解”を出す必要はない

ということです。

マンションの修繕・資金計画は、本来

  • 管理会社

  • 設計事務所

  • 施工会社

  • 金融機関

  • マンション管理士・専門家

こういった“チーム”で考えるべきテーマです。

理事長や理事会の役割は、

「正しい情報と選択肢を集めて、
みんなが納得しやすい形で差し出す人」

であって、
一人で責任を全部かぶる“犯人役”ではありません。


7. 次回は「理事のなり手不足・高齢化」の問題へ

今回は、
6つの問題のうちの①

修繕積立金が足りない

にフォーカスしてお話ししました。

次回は、

  1. 理事のなり手不足・高齢化で管理組合が回らない

という、これまた多くのマンションが抱えている悩みを、

  • 現実に今何が起きているのか

  • どんな役割分担・外部委託で乗り切れるのか

  • 「燃え尽きないための理事のメンタルケア」

このあたりも含めて掘り下げていく予定です。

あなたのマンションの状況が、
どれだけ厳しく見えていても大丈夫です。

「足りない現実をちゃんと見て、
それを数字と言葉で共有する」

そこからやり始めた管理組合は、
少しずつでも、必ず前に進んでいきます。

――税金39%なのに、なぜみんな平然と売るのか?

最近の新聞なんかを見ていると、

・都内マンションの約1割が短期で売りに出されている
・都心の買い手のうち約4割が外国人で、その半分が中国人

こんな話がよく出てきます。

ここで、素朴な疑問が浮かびます。

「え、マンションって5年未満で売ると税金バカ高いんじゃなかったっけ?
それなのに、なんでそんなに短期売りが増えるの?
みんな税金払っても大儲けしてるってこと?」

さらに、

「住んでない外国人が持ってると、税金が優遇されてるの?
だから都心を買いまくってるの?」

この2つのモヤモヤを、できるだけ楽しく、でも中身は真面目に整理してみます。

【1.まず「短期売りの税金」がどれくらい重いのか】

不動産を売って利益(売却価格−購入価格−諸費用)が出ると、「譲渡所得税」がかかります。

個人の場合、ざっくりこんなイメージです。

・所有5年以下(短期譲渡)
 → 税率 約39%(所得税+住民税+復興税を合計したイメージ)

・所有5年超(長期譲渡)
 → 税率 約20%

つまり、

「5年未満で売ると、5年超のほぼ“倍”の税率で殴られる」

というルールになっています。

数字だけ見ると正直、

「いやいや、そんなの誰がわざわざ短期で売るんだよ…」

と言いたくなりますが、それでも短期売りは確実に増えている。
ここに、いくつかのカラクリがあります。

【2.短期で売っている=みんな儲かっている、は大きな勘違い】

まず一つ目のポイントは、

「短期で売っている人のすべてが“転売で儲けようとしている人”ではない」

ということです。

短期売りの統計の中には、こんな人たちもたくさん混ざっています。

・急な転勤で引っ越すことになった
・離婚で家を手放すことになった
・親の介護で実家に戻ることになった
・住宅ローンの返済が苦しくなって泣く泣く売る

こういう「ライフイベント売り」「事情売り」の場合、

・利益がほぼゼロ
・むしろちょっとマイナス
・トントンで逃げられれば御の字

みたいなケースも多いです。

この場合、そもそも「課税される利益」がほとんどないので、
税率が39%だろうが20%だろうが、インパクトは小さい。

つまり、「短期売りが1割ある」という数字の中には、

・本気で儲けを狙う短期転売勢
・生活事情で早めに売らざるを得なかった人たち

この両方がごちゃ混ぜになっていて、

「短期で売っている=全員が税引き後も大儲け」

という図は、完全に誤解だということです。

【3.それでも「税39%を飲み込んででもやる人」がいる理由】

とはいえ、ガチで利益を取りに行く短期勢がいるのも事実です。

彼らのロジックは、ざっくり言うと、

「値上がり幅が大きくて、ローンでレバレッジが効いているから、
税金が重くてもまだ十分おいしい」

というものです。

イメージしやすいように、数字で見てみます。

・都心のマンションを8,000万円で購入
・2年後、相場が上がって9,600万円で売却(+20%)
・売却にかかる仲介手数料や諸費用を300万円と仮定

この場合、

・粗利益:1,600万円
・諸費用差し引き後の実質利益:1,300万円

ここに短期譲渡税率 約39%をかけると、

・税金:およそ500万円ちょっと
・税引き後の手取り利益:ざっくり800万円前後

「税金、高っ…」と思いつつも、

「2年で800万円のキャッシュが手元に増える」

と考えると、「それでもやる価値はある」と判断する人は出てきます。

さらにレバレッジが効いていると、数字はもっと派手になります。

例えば、

・自己資金 1,000万円
・ローン 7,000万円(合計8,000万円の物件を購入)

という構成だと、

自己資金1,000万円に対して手取り利益800万円=2年で+80%。
年率にするとかなりの高リターンです。

もちろん金利やローン手数料など現実はもっと細かいですが、
「値上がり幅が大きくて、ローンでレバレッジが効く市場」では、
税金の重さをレバレッジと相場上昇でねじ伏せるプレイヤーが出る、ということです。

【4.そもそも「39%ルールの効き方」が違う人たちがいる】

もう一つのカラクリは、

「普通のサラリーマン投資家とは、税の効き方がそもそも違う人たちが、短期売りの数字を押し上げている」

という点です。

代表的なのは、次のようなパターンです。

パターン①:法人・プロ・業者

・デベロッパー
・買取再販業者
・不動産を“在庫”として回している法人

こういうプレイヤーは、

・個人の「短期譲渡所得39%」の枠組みではなく
・法人税(実効税率はざっくり30%前後)の世界で動いている

さらに、

・人件費
・借入金利
・その他の経費

などを経費計上して所得を調整できるので、
トータルの税負担は、個人の短期譲渡より軽くなることも多いです。

なので彼らにとっては、

「5年未満だからやめておこう」

という発想はあまりありません。
相場と利ざやと在庫回転だけを冷静に見ている世界です。

パターン②:自宅売却+3,000万円控除組

もう一つは、「居住用財産の3,000万円特別控除」です。

・自分や家族が実際に住んでいた自宅を売る場合
・一定の条件を満たせば、譲渡益から3,000万円まで控除できる

この制度が効くと、

・たとえば利益1,500万円で売っても、課税所得はゼロ
・所有期間が5年未満でも、実質的に税金ゼロ

というケースが普通にあります。

統計上は、こういった「自宅売却の短期売り」も
「短期転売」と同じグループに混ざってしまうので、

見た目には「短期売りが増えている」ように見えますが、
中身を分解すると、「39%のパンチを真正面から食らっている人ばかりではない」わけです。

【5.外国人オーナーは、税金で得をしているのか?】

もう一つよく出てくるテーマが、

「都心の買い手の40%が外国人、その半分が中国人らしい」
「住んでない外国人は税金が優遇されてるの?」

という話です。

結論から言うと、

「外国人だから税金が安い」というような優遇は基本的にありません。

・固定資産税
・都市計画税
・不動産取得税
・登録免許税
・譲渡所得税(売却益)

これらは、基本的に、

「日本の不動産を持っているかどうか」で決まる世界であり、
日本人か外国人か、という国籍で税率が変わるわけではありません。

むしろ、海外在住の外国人(非居住者)の場合、

・家賃収入に対して20%超の源泉徴収
・売却代金に対して10%超の源泉徴収

といった「とりあえず先にガッツリ引いておく」制度が適用されるので、
キャッシュフロー的には外国人の方がきつい側にいることも多いです。

じゃあ、なぜそれでも彼らは都心マンションを買うのか。

理由はシンプルで、

・自国の不動産市場や金融システムへの不信
・資本規制や政治リスクからの逃避
・円安で見たときの東京の“割安感”
・日本の法制度・治安への信頼

こういった要素が重なり、

「税金が安いから」ではなく、
「自国よりマシだし、資産の避難場所として優秀だから」

という理由で買っている、というのが実態に近いと思います。

日本の税制で得しているというより、
「リスクと比較したうえで、日本を選んでいる」というイメージです。

【6.短期売りブームの正体】

ここまでをまとめると、短期売りが増えている理由は、
税金そのものよりも、次のような構図が大きいと感じます。

・短期売り=全員が“転売で儲かっている人”ではない
 → 転勤・離婚・ローン返済など、事情売りも大量に混ざっている

・本気の短期転売勢は、値上がり幅×レバレッジで税金をねじ伏せている
 → 数年で2,000〜3,000万円動くようなエリアでは、税引き後でも十分おいしい

・プロ・法人は、そもそも「短期譲渡39%」ルールの効き方が違う
 → 法人税+経費でトータル負担を下げられる

・自宅売却+3,000万円控除が効いている短期売りもかなりある
 → 「短期=全部が重税でボコボコ」ではない

・外国人オーナーは税制で優遇されているわけではない
 → むしろ源泉徴収など、手間もキャッシュ負担も重い側
 → それでも「自国よりマシ」「資産退避先」として東京を選んでいる

その結果として、都心の一部では、

「富裕層・プロ・海外マネーにとって“転がしやすい市場”」

になってしまっている、というのが現状に近い姿だと思います。

【7.普通の日本人はどう考えるべきか?】

ここまで読むと、

「じゃあ自分も短期で転売して一発狙うか!」

と一瞬思うかもしれませんが、
正直、一般の個人にはかなりハードモードです。

・まず新築の人気物件は、抽選で当たらない
・ローン審査も厳格
・売却時の仲介手数料・登記費用・諸費用も重い
・市況が転んだ瞬間に、「高値づかみ組」に格下げ

短期の“転がし”というより、

「プロと富裕層が本気で殴り合っているリング」に、
後から素人が片足だけ突っ込むイメージに近いです。

普通の個人が現実的にやるなら、

・自分や家族の生活ニーズと、将来の売りやすさを両方考える
・「上がりそうだから」だけで買わない
・3,000万円控除や長期譲渡など、税制の基本を理解したうえで持ち方を決める
・投資として持つなら、レバレッジと出口戦略を最初に決めておく

このあたりをしっかり押さえた方が、
結果的に「人生トータルのリターン」は安定しやすいはずです。

短期売りのニュースを見たときは、

「みんな短期で儲けてるらしい」ではなく、

「税の効き方が違うプレイヤーと、事情売りがごちゃ混ぜになっている数字」

として理解しておくと、騙されにくくなります。

そして、自分がどの立場でその市場に関わるのか。
そこを冷静に見極めることが、これからの不動産との付き合い方で一番大事なポイントだと思います。

――シンガポールとドバイから見える、日本のチャンスと怖さ――

前回のブログでは、シンガポールとドバイの「移民モデル」について書きました。

・シンガポールは「明るい北朝鮮」と呼ばれるくらい徹底した管理社会
・ドバイは人口の大半が外国人なのに、「移民問題」がなかなか表に出てこない都市

その裏側には、

「外国人を“市民”ではなく、“期限付きの労働力”として扱う」
「ビザと法律で、どこに住ませるか・どれくらい滞在させるかを細かくコントロールする」

という共通した設計図がありました。

今日はこの話を、不動産業・街づくりの視点につなげて考えてみます。
「移民政策」と「住宅政策」は、実はセットで考えないと破綻する――という話です。

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【1】シンガポールとドバイは、「住まい」まで政策で決めている

まず押さえておきたいのは、

シンガポールもドバイも、「外国人労働者の住まい」を完全に“制度の中”に組み込んでいる

という点です。

シンガポールでは、外国人の低賃金労働者について、

・雇用主は、政府の定めた基準を満たす住宅に住まわせる義務がある
・「外国人労働者用ドミトリー」を規制する専用法(Foreign Employee Dormitories Act)があり、
 収容人数・衛生・安全・レクリエーション施設などの条件が細かく決められているntuc.org.sg+3Ministry of Manpower Singapore+3シンガポール政府法令システム+3

つまり「外国人をどこに住まわせるか」は、
完全に“都市計画+労働政策の一部”になっているわけです。

ドバイ(UAE)も同じで、

・一定人数以上の低賃金労働者を雇う会社は、「労働者宿舎(ラバーキャンプ)」の提供が義務
・1人あたり最低3㎡、空調、換気、飲料水、医療・娯楽スペースなど、細かな規定がある
・宿舎は自治体や労働省に登録され、チェック対象になるlabotel.ae+5u.ae+5laboraccommodation.ae+5

これって、不動産業の言葉でいえば、

・「労働力インフラ」としての住宅
・行政がゾーニングと基準を決め、その枠内で民間が“箱”を供給する

というビジネスが、国全体で回っている、ということでもあります。

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【2】日本は真逆、「空き家だらけなのに受け皿が設計されていない」

一方、日本はどうか。

ご存じの通り、日本には今や約900万戸前後の空き家があると言われ、
総住宅数の13〜14%が「誰も住んでいない家」という統計も出ています。ww3.rics.org+3不動産リソース+3E-Housing+3

将来的には「3軒に1軒が空き家になる」との試算もあります。E-Housing+1

にもかかわらず、

・外国人労働者や留学生、技能実習生の「住まいの設計」は、ほとんど“個別交渉”任せ
・受け入れる現場(大家・管理会社・地域)が、そのつど感覚的にOK/NGを判断
・自治体レベルで「どこに、どれくらいの外国人を、どんな住宅に住まわせるか」を設計している例はまだ少数派

というのが正直なところだと思います。

その一方で、海外からは

・格安な空き家を買って別荘・セカンドハウスにする外国人
・インバウンド向けに古家をリノベして宿泊施設にする動き

も増えていて、「日本の空き家」は海外投資家からも注目され始めています。ニュース.com.au+1

ここに、日本の不動産業にとっての“チャンスと怖さ”が同時に存在していると感じます。

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【3】もし日本が「シンガポール型」「ドバイ型」を真似したら?

極端な仮説として、

「日本もシンガポールやドバイのように、“労働者用ドミトリー”モデルを全面導入したらどうなるか?」

を考えてみます。

例えば、

・工業団地や物流拠点の近くに、
 外国人ワーカー専用の大型ドミトリーを民間+自治体で整備する
・地方の人口減少エリアに、
 介護・農業・建設向けの“ワーカー・ビレッジ”を集約してつくる

こういう発想を取れば、

・通勤時間の短縮
・企業の採用力UP
・空き家の有効活用

という意味では、メリットは大きいかもしれません。

ただし、そのまま真似すると、

・「そこに住んでいる人たちは、ずっと“ゲスト”のまま」
・子どもが生まれても、地域の“普通の住民”としては扱われにくい
・治安や文化摩擦のリスクが出たときに、「ビザを切ればいい」という発想に流れやすい

という、シンガポール・ドバイ型の“二級市民構造”を再現してしまう危険もあります。

これは、日本の地方都市や住宅地のコミュニティを考えると、かなり重たいテーマです。

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【4】不動産業として考えたい3つのポイント

じゃあ、不動産業として現実的に何ができるのか。

シンガポールやドバイの「制度の見方」だけ借りて、日本らしいやり方を組み立てるとしたら、少なくとも次の3つは意識したいな、と僕は感じています。

(1)「住まいの種類」をはっきり分けて設計する

・長期定住のための“普通の住まい”
・数年スパンのワーカー向けレジデンス(社宅+シェアハウス型)
・短期滞在(観光・研修)向けの宿泊施設

この3つを、ごちゃ混ぜにしないこと。

「外国人用の部屋」とひとくくりにするのではなく、
どの層に、どの期間、どんな権利とサービスを付けるのか、
プロダクトとして整理していく必要があります。

(2)空き家・古家を「ワーカー向けレジデンス」として再定義する

地方の空き家や古い貸家を、

・企業と組んで、技能実習生・特定技能向けのシェアハウス化する
・単身者3〜4人+日本語教室+生活サポートがワンセットになった“住まいパッケージ”にする

といった形で再生できれば、

・空き家問題
・人手不足
・地域コミュニティの空洞化

を一気に“1つの案件”として扱える可能性があります。

(3)自治体と一緒に「受け皿エリア」をデザインする

本当は、民間だけでやるのではなく、

・「このエリアは外国人ワーカーの受け皿として強化する」
・「ここは子育て世帯中心のエリアにする」

といったゾーニングを、自治体と一緒に考えるフェーズに入っていくべきだと思います。

シンガポールやドバイのような強権的なやり方は日本には合わないかもしれません。
でも、

「誰が、どこに、どんな住まい方で住むのか」

を放置したまま外国人だけ増やすと、
結局は“野良ドミトリー”や“スラム化した空き家エリア”が生まれ、
住民同士の不信感が積み上がるだけになってしまいます。

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【5】移民問題は「住宅問題」でもある

結局のところ、

・移民問題
・人手不足
・空き家問題

この3つは、バラバラのテーマではなく、
ぜんぶ「住まい(不動産)」に集約される問題だと思っています。

・どんな人を受け入れるのか
・どれくらいの期間、どんな条件で住んでもらうのか
・街全体として、どこに人を集め、どこを縮退させるのか

これを設計しない限り、
どれだけ法律だけいじっても、現場は混乱するだけです。

シンガポールとドバイは、その答えとして

「強いルールで、外側に“ワーカーの街”をつくる」

という選択をしました。
その結果、国としては“移民問題”が見えにくい構造になった一方で、
移民側の人権や将来の選択肢には、かなりの犠牲が払われています。不動産リソース+1

日本は、同じルートをそのままなぞる必要はありません。

ただ、

「移民をどうするか?」

と同じくらい真剣に、

「その人たちに、どんな住まいと街を用意するのか?」

を考えなければ、
法律だけ変えても何も解決しない――これは、世界の例がはっきり教えてくれている事実です。

不動産業は、その「受け皿」を具体的な物件に落とし込む役割を持っています。
空き家・古家・遊休地をどう使うか。
どんな人に、どんな条件で貸すのか。

移民問題を、
「政治の話」「どこか遠い大都市の話」で終わらせるのではなく、

自分が扱っている一棟・一戸・一筆の土地から、
街の人口構成と将来像を逆算していく。

そんな目線で物件を見ると、
シンガポールやドバイの“キラキラした表面”とはまた違う、
リアルなビジネスチャンスとリスクが見えてきます。

「移民問題がない国」シンガポールとドバイの正体
――“明るい北朝鮮”と“キラキラ砂漠シティ”の裏側――

「シンガポールは明るい北朝鮮」
「ドバイは移民の妊娠禁止」

そんなフレーズを、一度はどこかで耳にしたことがあるかもしれません。
僕も最初は、「やっぱり相当エグい管理社会なんだろうな」と思っていました。

でも、実際に制度を調べていくと、もう少し違う景色が見えてきます。

結論を先にまとめると、

・シンガポールが「明るい北朝鮮」と呼ばれるのは、かなり当たっている部分がある
・一方で、ドバイの「妊娠禁止」は、今の法律としては間違い(ただし昔の運用を考えると、そう聞こえてしまう理由はある)

そして、両方に共通しているのは、

「移民や外国人を受け入れているように見えて、
 実は“自国民の移民問題にならないように、ビザと法律で徹底管理している”」

という点です。

この構造を知ってしまうと、日本やヨーロッパで語られる「移民問題」とは、そもそも前提のルール設計がまったく違う、ということがはっきりしてきます。

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【1】シンガポールが「明るい北朝鮮」と呼ばれる理由

シンガポールについては、ある作家が
「Disneyland with the death penalty(死刑付きディズニーランド)」
と表現したことで有名になりました。

・与党・人民行動党(PAP)が独立以来ほぼずっと政権を握る、半ば一党支配
・麻薬犯罪などに対しては死刑やムチ打ち刑など、非常に厳しい刑罰
・言論やデモ、集会などの自由には強い制限がある
・その一方で、治安はよく、街はきれいで、ビジネス環境は世界トップクラス

「明るい北朝鮮」というあだ名は、
“経済的には豊かでキラキラしているけれど、政治・社会はかなり管理されている”
という意味での比喩だと考えると、意外としっくりきます。

そしてこの「管理社会」の感覚は、外国人の扱いにも強く反映されています。

――外国人は「移民」ではなく、期限付きのゲストワーカー

シンガポールは人口に占める外国人の割合が高い国ですが、その多くは「移民」ではなく、あくまで「期限付きの外国人労働者」として扱われています。

ビザはざっくり三階建てです。

・高給エリート向け:Employment Pass(EP)
・中堅・専門職向け:S Pass
・建設・工場・家事労働など低賃金層:Work Permit

ここに効いてくるのが、

・外国人比率の上限:Dependency Ratio Ceiling(DRC)
・外国人1人あたりにかかる追加コスト:レヴィ(人頭税のようなもの)

です。

たとえば、サービス業なら「外国人(S Pass+Work Permit)は従業員全体の○%まで」と上限が決まっていて、それを超えようとするとレヴィが跳ね上がる仕組みになっています。
つまり、「人手不足だから全部安い外国人で埋める」というやり方が、制度的にブロックされているわけです。

さらに、低賃金の Work Permit 層は、

・在留期間は数年ごとの更新制で、永住前提ではない
・雇用主や職種を自由に変えにくい
・家族帯同は基本的に認められない
・永住権や市民権へのルートはほぼ閉ざされている

という条件のもとで働いています。

ざっくり言ってしまえば、

「シンガポール人」=フルメンバー
「外国人労働者」=期限付きの外部労働力

という二重構造の社会です。

低賃金層の外国人には、長時間労働や狭い寮生活などの問題も多く指摘されていますが、彼らには選挙権も政治的な発言権もほとんどありません。
だからこそ、「移民問題」がシンガポール人の政治争点として燃え上がりにくい構造になっている、とも言えます。

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【2】ドバイ:人口の大半が外国人、それでも移民問題が見えにくい都市

一方、ドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)は、数字だけ見るともっと極端です。

国全体で見ると、人口の7〜8割以上が外国人労働者と言われています。
「世界で最も移民比率が高い国」と呼ばれることもあるほどです。

それでも、「移民が問題だ!」という政治的な大騒ぎが起きにくいのは、やはり制度設計の話になります。

――カファラ制度(スポンサー制)という仕組み

ドバイを含む湾岸諸国では、長年「カファラ制度」と呼ばれるスポンサー制のもとで労働移民を管理してきました。

・外国人は、現地の企業や個人(スポンサー)がいないとビザを取れない
・ビザと在留資格はスポンサーに紐づき、転職や出国にもスポンサーの影響が大きい
・スポンサーとの関係が切れれば、その時点で在留の基盤も危うくなる

人権団体の報告によれば、この仕組みが

・パスポート取り上げ
・劣悪な住環境
・長時間労働

など、多くの人権侵害につながってきたと指摘されています。

近年、制度改革は進んでいるものの、「ビザも生活も雇用主に握られている」という構造は今も色濃く残っています。

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【3】「ドバイでは移民の妊娠禁止」は本当か?

ここが、今回のテーマのなかで一番誤解が生まれやすいポイントです。

結論から言うと、今の法律だけを見れば、

「ドバイ(UAE)で“移民の妊娠が法律で禁止されている”」

というのは誤りです。

ただし、過去の運用とイスラム法の考え方を合わせてみると、「妊娠禁止」と言われても仕方ないような状況が長く続いていたのも事実です。

――昔:事実上「未婚で妊娠したらほぼアウト」に近かった

UAEでは長年、イスラム法(シャリーア)に基づき、

・婚外セックス(ジナ)は犯罪

とされてきました。

未婚のカップルが妊娠すると、それ自体が「違法な性行為の証拠」とみなされるケースもあり、

・未婚で妊娠した女性が逮捕・拘束される
・出産や出生登録の場面で結婚証明書を求められ、対応できなければ強制送還

といった事例が国際メディアでも報じられてきました。

この運用だけ見れば、実務的には

「未婚で妊娠したら人生終了」
=「妊娠禁止に等しい」

と受け取られても不思議ではありません。
おそらく、日本人駐在員や旅行者の間で広まった「ドバイは妊娠禁止」という話は、この時代のルールと運用がベースになっています。

――最近:法改正で婚前セックスは原則非犯罪化

ところが2020年以降、UAEでは刑法や個人法の大きな改正が行われました。

・未婚カップルの同棲
・婚前セックス

が、条件付きではあるものの「原則非犯罪化」という方向に変わっています。
それに合わせて、

・婚姻外で生まれた子どもの出生登録
・出生証明書の発行手続き

も、未婚の親でも条件を満たせば可能になってきました。

最近の法解説では、

「成人同士の合意があり、一定の条件を満たす場合、未婚の妊娠自体は違法ではない」

とはっきり書いているものもあります。

なので、今の法律ベースで言えば、

「ドバイでは移民が妊娠したら違法になる」

というのは間違いです。

――とはいえ、“自由な欧米並み”とはほど遠い

ただし、ここで話が終わらないのが中東の難しいところです。

・病院や役所が、実務レベルでは今も結婚証明書を求めるケースがある
・手続きが複雑で、特に立場の弱い移民労働者の女性にはハードルが高い
・文化的・宗教的には、婚外妊娠へのタブー意識が強く残っている

といった報告も多く、「法律上はOKになったが、現場の運用はまだ追いついていない」というギャップも指摘されています。

さらに、移民労働者の場合は、

「妊娠をきっかけに、雇用主に契約を切られる → ビザが維持できない → 帰国せざるをえない」

という実務上のリスクも存在します。
紙の上では産休や妊婦保護の規定があっても、それを本当に使えるかどうかは、雇用主と本人の力関係次第、という厳しい現実もあります。

つまり、

・今の法律だけ見れば「妊娠禁止」は誤り
・しかし、弱い立場の移民女性にとって、依然として妊娠は大きなリスクを伴う

というのが、ドバイ/UAEの現在の姿に近いといえます。

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【4】なぜシンガポールやドバイでは「移民問題」が燃えにくいのか

ここまでの話をまとめると、両者に共通する構造が見えてきます。

ポイントは2つです。

1つ目は、「市民」と「移民」の権利を、最初からはっきり分けていること。

・選挙権や政治参加
・手厚い福祉や社会保障
・永住権や市民権へのルート

こういった「コストのかかる権利」は、基本的には自国民だけのもの。
外国人労働者、特に低賃金層は、あくまで“ゲスト”として扱われ、問題があればビザを切ることで、いつでも「元の国にお返し」できる設計です。

2つ目は、「豊かで安全」な表の顔の裏側に、見えにくいコストが積み上がっていること。

・過酷な労働時間と低賃金
・窮屈な宿舎での集団生活
・パスポート取り上げや転職の自由の制限

こういった負担を、主に移民側が背負っているからこそ、
シンガポール人やUAE市民の側では「移民問題」が大きな政治争点になりにくい、という側面もあります。

「明るい北朝鮮」
「キラキラ砂漠シティ」

その足元には、かなり冷徹な制度設計と、見えにくい犠牲が横たわっている、ということです。

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【5】日本はどのモデルを目指すのか?

日本でも、人手不足や少子高齢化の中で、「移民を受け入れるべきか?」という議論が繰り返されています。

ざっくりとモデルを比べてみると、

・ヨーロッパ型
 → 移民が長期定住し、市民権を取り、二世三世が生まれる。
   文化・アイデンティティ・治安などが大きな政治争点になりやすい。

・シンガポール/ドバイ型
 → 外国人は「期限付きゲストワーカー」。
   市民の外側に巨大な“二級市民層”をつくり、問題があればビザを切ることで調整する。

日本は現状、このどちらにも振り切れていない、中途半端な状態に見えます。

・表向きは「移民政策はとらない」と言いつつ
・実際には、技能実習や特定技能などを通じて、外国人労働者に依存し始めている
・しかし、長期的な権利設計や社会統合のビジョンは、まだ十分に議論されていない

というのがリアルな姿ではないでしょうか。

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【6】フレーズに惑わされず、「制度の設計図」を見よう

「明るい北朝鮮」
「移民の妊娠禁止」

こうした強いフレーズはインパクトがありますが、その影には必ず「制度の設計図」があります。

・シンガポールは、外国人比率の上限やレヴィ、ビザの三層構造で、
 “豊かで安全、でも管理された社会”を維持している。

・ドバイは、カファラ制度や刑法改正を通じて、
 “巨大な移民労働力に支えられたグローバル都市”を回している。

問題が「ない」のではなく、
「誰の問題として表面化する仕組みになっているか」が違うだけ。

自国民の政治問題として燃えにくくするのか。
それとも、「同じ市民」として受け入れ、時間をかけて一緒に社会をつくっていくのか。

日本がどちらの方向に向かうのか。
あるいは、まったく別の第三のモデルを描けるのか。

移民問題を考えるとき、目立つスローガンだけで判断するのではなく、
その国の「制度の設計図」を覗き込んでみると、見えてくる風景はだいぶ違ってきますね。

こんにちは、鈴木です。

まずは正直な不安から。
いくつかの前提で試算すると、約100年前後で「外国ルーツ(国籍は問わず)」が人口の半分に近づく可能性が見えてきます。

もちろん前提次第です。
でも、何も設計せずに「数」だけが増えると、生活のルールや文化行事、日本語の共有基盤が持たない――そんなザワッとする未来が頭をよぎります。

大切なのは順番です。
人を敵視しない。制度と設計を整える。
そのうえで、「無策の大量受け入れ」は危ういと、落ち着いてお伝えしたいのです。


「数の圧力」は本当に怖いの?――他山の石(ウィグル)

国連の人権機関は、新疆ウィグル自治区で深刻な人権侵害の懸念を公式に指摘しています(恣意的拘禁、拷問、家族分断など)。国連人権高等弁務官事務所

アムネスティヒューマン・ライツ・ウォッチは、大規模収容や文化抑圧人道に対する罪にあたり得ると詳細に報告しています。Amnesty International USA+1

また、出生抑制(IUDの強制装着・中絶・不妊手術)を示す調査報道もあります(中国政府は否定)。The Associated Press+1

強制臓器摘出をめぐっては、独立の民衆法廷(China Tribunal)が「長年、相当規模で行われてきた」と結論しています(国連本体による最終判断は未確定で監視継続)。China Tribunal

教訓は明快です。人口と制度の設計を誤ると、文化と人権が深く傷つく
日本は自由と法治の国。だからこそ、最初に設計を整えたいのです。


いま日本政府が取っている「対話・関与」の具体例(事実メモ)

  • 外相の訪中・関係修復のシグナル(2024年12月)
    日本の岩屋毅外相が北京を訪問し、王毅外相や李強首相と会談。高官対話の継続安全保障対話の再開で一致。報道では中国人観光客のビザ要件緩和にも言及がありました。外務省+2Reuters+2

  • 日中韓の枠組みを再稼働(2024年5月ソウル首脳会談)
    3カ国の定期的な首脳・閣僚会合の制度化で合意し、経済・人の往来などの協力を再確認。外交部+2外務省+2

  • 首脳級の対話再開(2023年11月・サンフランシスコ)
    岸田首相と習国家主席が会談し、関係安定化の方針を確認。外務省

  • 水産物貿易の正常化に向けた協議(2025年6月以降)
    中国が日本産水産物の全面禁輸を一部解除。段階的な輸入再開と証明書類の厳格化が進行。日本側は継続協議で正常化を模索。Reuters+2Politico Pro+2

こうした「対話・関与」の積み上げは、経済・安全保障の安定化を狙う一方、国内では“中国寄りでは?”との懸念として受け止められがちです。
なお、日本は
国連場裏で新疆など人権問題への共同声明にも参加しており、関与と懸念の両にらみが実情です。在ニューヨーク日本国総領事館+1


結論:数ではなく、密度と生産性、そして安心のルール

密度
学校・病院・商店・神社などの生活機能を「核エリア」に寄せ、文化の舞台を残します。

生産性
人手を増やさず、一人当たりの付加価値を上げます。
DX、省人化、標準化で、小さく運んで強く残す

安心のルール(受け入れの基本指針/共通の約束事)

  • 量より質:分野別の技能・日本語・適性を明確化。不適正な仲介は排除

  • 段階制日本語 → 就労 → 地域参加を段階評価。基準未達はまず支援、改善なければ更新見送り

  • 大切な場所への配慮:水源地・港湾・基地周辺などは透明な事前審査

  • 帰化・永住のポイント可視化言語・納税・遵法・地域活動見える化

  • 日本語教育と生活オリエンの公的支援:受け入れに伴う日本語・生活ルール教育と、祭礼・神事の継続費を制度的に手当て。


“警鐘”の伝え方を整える:中立・評価軸で考えよう

受け入れを拡大するにせよ抑制するにせよ、選挙や政策選択で見るべき軸ははっきり。

  • 受け入れの質(技能・日本語・生活適応の基準と運用)

  • 規模と節度(学校・医療・治安・住まい等、地域の吸収力とのバランス)

  • 統合の設計(日本語教育、生活オリエン、地域参加を“先に”用意)

  • 透明性と監督(悪質仲介排除、労働・住環境監視、重要エリア配慮)

  • 文化の継承(祭礼・神社・地域メディア=文化の舞台への支援)

誰を支持するかは、読者一人ひとりの判断
上の軸で政策を比べ、地域が無理なく暮らせる方向を選びたい――それがこのブログの願いです。


不動産の現場でできること(ベルアール流・やさしめ運用)

多言語「ハウスルール1枚」
ゴミ・騒音・自治会・防災を契約別紙に。
入居時30–60分のオリエン小テストで誤解を防ぐ。

管理DX=文化の予算を生む
スマートロック、IoT検針、故障予知で省人化
浮いた原資を祭り・神社・地域メディアへ。

核エリアへポートフォリオを寄せる
駅徒歩10–12分圏を中心に。
1棟マルチ用途(高齢者+SOHO+短期)で空室分散。

空き家の「やさしい出口」
定額の一気通貫(測量→相続→解体→更地管理)。
更地は「菜園+物置+防災」の小口運用で沈没コストゼロへ。

日本人中心の入居設計
地元就労+子育て+高齢単身を主軸に。
電気・通信・移動の団体割実質負担を軽く


90日アクション(ムリなく始める5つ)

1.核エリア距離マップを作る。
学校・病院・商店・交通・神社の距離を可視化。

2.スマートロック+IoT検針を3物件テスト導入。
人が動く回数を半分に。

3.「1棟マルチ用途」のラフと損益試算を用意。
高齢者+SOHO+短期で回遊性をつくる。

4.空き家「定額パッケージ」をA4一枚で公開。
相談窓口を一本化し、スピード感を出す。

5.共用部で月1ミニイベント×3ヶ月を運用。
来場・収支KPIを可視化し、続けやすくする。


おわりに(おだやかな警鐘)

「このまま『量』が先行したら、100年くらいで外国ルーツが半分…?」
――そんな不安は、ちゃんと向き合う価値があります。

でも、設計を変えれば大丈夫
密度を整え、生産性を上げ、安心のルール(受け入れの基本指針)を共有できれば、
日本の歴史や文化は
守れる
し、むしろ濃くして次世代へ渡せるはずです。

ベルアールは、不動産の現場から「小さくて、強い日本」をていねいに育てていきます。


参照(信頼できる一次・一次相当情報)

石破さんの「尖閣」と、石原さんとの“あの対談”

 

1)石破さんの基本スタンス(かんたんに)

  • 尖閣は日本の行政の下(施政下)。まずは海上保安庁が毎日張り付いて法執行、必要なら自衛隊を段階的に出すという設計。

  • 日米同盟は“要の柱”。米国は「安保条約5条は尖閣に適用」を何度も明言。エスカレートは避けつつ、抑止は厚く、が基本線。Bloomberg.com

例えると、いきなり張り手じゃなくて、土俵際を固めて押し戻す相撲。地味だけど効くやつ。


2)石原慎太郎さんとの“尖閣対談”って、何を言っていた?

2010年ごろのテレビ対談(生前の石原さんと石破さん)で、

  • 石破さんはおおむね「尖閣に自衛隊を置くのが“実効支配”を示す最良の証拠」という趣旨を語り、

  • 石原さんは「じゃあ、なぜやらない? 総理になったらやるのか」と詰める――そんな攻めたやり取りがありました。
    このやり取りは、2025年3月の参院予算委で野党議員から資料として示され、石破首相(当時)も「実効支配を確実にする努力は必要」と答弁しています(直近の“新しい会談”ではなく、過去の対談映像の話です)。松沢.com

補足:石原さんは2012年にワシントン(ヘリテージ財団)で「東京都が尖閣を買う」と表明した張本人。ここから国有化の流れが加速し、日中関係は大揺れに。Bloomberg.comFSight


3)で、石破さんは「本当に置くの?」— 現実的な返し

国会での石破さんの答弁はこういう骨子でした(要約):

  • 「実効支配を確実にする努力は必要」

  • ただし自衛隊の置き方は総合判断(どの島に何を置くのが最も効果的か、海保の任務・法体系、南西諸島の配備全体、米側との運用まで見て決める)。

  • 海保の能力増強や法整備の検討も並行して進める。松沢.com+1

要は、「やる気は否定しないが、“賢い順番”で」という現実路線。
(いきなり“常駐”に踏み込むと、中国海警の圧力増・偶発リスク増・通関などの摩擦が跳ねやすい、という読みが背景にあります。)


4)石破路線の「実務メニュー」(段階で考える)

  1. 文民・無人から積む:灯台・環境保全などの公務員機能無人監視・通信中継を先行。

  2. 海保を増強:巡視船・ヘリ・無人機、係留設備の量と質を上げる(前面担当)。

  3. 自衛隊は“背後から即応”:必要時に海上警備行動等で迅速に上げる設計。

  4. 同盟の可視化「5条は尖閣に適用」を繰り返し明文化しつつ、共同訓練や補給線の整備で抑止を厚く松沢.comBloomberg.com

すぐCRUSHではなく、“既成事実を積む”。地味だけど長く効くタイプ。


5)不動産屋としての私見:現場は「空気」じゃなく「手続き」で守る

  • KYCを深掘り(実質的支配者の確認)、管理規約で運用リスクを絞る

  • 自前のデータ台帳(所有権移転×価格帯×エリア)で“兆し”を早めに掴む。

  • 地政テーマに沿った資産配分(供給網・代替素材・物流冗長化は追い風)。
    国の守り方が「手続き×運用」なら、現場の守り方も「KYC×規約×データ」。やることはシンプルです。


 

6)今日の結論(超要約)

  • “石原×石破”の対談では、「自衛隊常駐=最強の実効支配」「なら、やるのか?」が核心。これは過去の対談映像として国会でも参照済み。松沢.com

  • 石破路線は、やる気を否定せず順番と総合設計を重視(海保・法整備・南西配備・同盟運用を束ねる)。松沢.com

  • “すぐ常駐”はリスクが高い。段階的に既成事実を積むのが現実解。

  • 現場はKYC×規約×データで「静かに強く」。それが属国化を遠ざける近道です。

 

KYC(ケーワイシー)= Know Your Customer の略で、「お客さまをちゃんと知る手続き(本人確認+取引の目的・資金の裏付け確認)」のこと。マネロンやテロ資金、反社の関与を防ぐために、日本でも犯収法(犯罪による収益の移転防止法)で義務づけられています。金融庁警察庁

不動産屋目線のカンタン整理

  • なぜ必要?
    法律で、特定の業種(不動産業を含む)に取引時確認(本人確認)・記録保存・疑わしい取引の届出などが義務化されているから。国土交通省

  • 何を確認する?(基本)

    1. 本人の氏名・住所・生年月日(個人)/会社情報(法人)

    2. 取引の目的(自用・投資など)や職業/事業内容

    3. 資金の出所(自己資金・借入 等)

    4. 実質的支配者(UBO):法人の背後で25%超の議決権などで実質支配している個人の確認(※法人形態により見方が異なる)

    5. 継続的モニタリング(不自然な動きがないか)

    6. 記録保存(原則7年)と、疑わしい取引は届出警察庁国土交通省金融庁

  • オンライン対応(eKYC)
    オンライン完結の本人確認方法も整備。近年はなりすまし対策でICチップ読取などへ強化の動き。金融庁+1

  • 反社対策
    契約書に反社会的勢力排除条項を入れ、事前チェックを徹底。国交省のモデル条項も参考に。国土交通省

取引タイプ別の“実務チェック表”ミニ版

個人が相手

  • 本人確認書類+現住所の確認

  • 取引目的/職業のヒアリングメモ

  • 資金の出所(自己資金・融資)

  • 制裁・PEP等のスクリーニング(必要に応じて)

  • 記録の保存(7年)と不審時の届出判断 金融庁

法人が相手(SPC等ふくむ)

  • 登記事項証明書・会社情報

  • UBO(実質的支配者)の確定

    • 議決権25%超の個人がいればその人

    • いなければ代表権者 等で判断(法人形態により異なる)

    • ハイリスクと判断する場合は株主名簿やUBOリスト等の裏取りまで実施

  • 取引目的・事業内容の確認/取引後のモニタリング 警察庁国土交通省

ワンポイント:「空気」じゃなく「書類」と「痕跡」
誰と、何の目的で、どんな資金で取引するのか——紙とデータで説明できる状態にしておけばOK

 

 

有限会社ベルアール(地元でコツコツ30年)は、先日開催された「浴衣まつり」で、ステージ音響の設営・調整・本番オペを担当しました。
「暮らしの土台を整える」のは不動産の仕事。実は
“音の土台”を整えるのも同じ。聞こえる・伝わる・安心できる——そんな当たり前を、裏方として支えました。


1. なぜ不動産会社が“音響”を?

街のにぎわいは、住みたい気持ちと直結します。
イベントがうまくいけば、「この町っていいな」が増える。結果、空き家活用の相談や商店街の活性にもつながります。
ベルアールは、物件の管理・売買だけでなく、イベント運営の裏方力でも地域を支えます。


2. 当日のセットアップ(概要)

  • マイク:MC/ボーカル/進行用を用途別に配置(ワイヤレス・有線併用)

  • スピーカー:メイン+ステージモニターの基本構成

  • ミキシング:出演・進行ごとにシーンを準備し、転換をスムーズに

  • 事前チェック:ハウリング対策/MC帯域の明瞭度UP/曲間ミュート運用

  • 安全配慮:ケーブル養生・耐風固定・熱対策(屋外は暑さが機材の敵!)

  • 浴衣ウォーク対応:出発合図・集合アナウンス・ゴール案内のアナウンス運用BGM管理を実施


3. 当日のハイライト

  • オープニング挨拶からキッズダンス/バンド、そして浴衣ウォーク出発アナウンス→ゴール案内までノンストップ。

  • 風が強い時間帯は、ウィンドスクリーン+EQでノイズを抑制。

  • 子どもMCの声量に合わせ、中音域を細かく調整して“通る声”に。

  • 浴衣ウォークでは、集合時に誘導アナウンス雰囲気づくりのBGMで、参加者の動線と高揚感を後押し。

スタッフさんから
「MCの声がクリアで助かった!」
「ライブの音がよかった!」
とお声をいただきました。(ありがとうございます!)

 


4. 小さなトラブル、こう乗り切りました

  • 熱対策:機械には常に小型扇風機で風を当てる。

  • ワイヤレス干渉:事前スキャン+バックアップ周波数で回避。

  • 誘導タイミング:進行とインカム連携で出発・到着キューを明確化。

裏方は“目立たないのが成功”。止めない・慌てない・バレないが合言葉です。


5. 今回の学び → 次回に活かすチェックリスト

  • □ MCと出演者・進行のリハ台本共有(入退場・BGM・ウォーク合図まで)

  • □ 風対策(ウィンドスクリーン/スタンド固定/簡易カバー常備)

  • “無音にしない”BGMプレイリスト(集合・待機・出発・ゴール用)


6. 理念×実践:HPの想いをステージ裏で形に

最近では本格的な人口減少が始まり、街にだんだん元気がなくなってきています。私たちは、「街を活性化する」ことこそ不動産業の使命だと考えています。……『箱の産業』から『場の産業』へ。
——有限会社ベルアール 企業メッセージより

「浴衣まつり」での音響協力は、この理念の実装プロジェクトです。
不動産は“建物”を扱う仕事ですが、私たちが最終的にお届けしたい価値は「まちで気持ちよく暮らせる体験」。
音の土台を整えることで、滞在時間・満足度・再来訪が高まり、商店街や住宅地の価値の底上げにつながります。


7. 関係者のみなさまへ御礼

出演者・出店者・運営・ボランティアのみなさま、そしてご来場のみなさま、ありがとうございました!
来年もぜひご一緒させてください。


8. ベルアールからのお知らせ(PR)

  • 空き家の管理・売却・活用のご相談、初回無料です。

  • 物件の小さなお困りごと(草木・境界・設備)もお気軽に。

  • 地域イベントの会場レイアウトや音響の“ちょい相談”も歓迎します。

お問い合わせ
TEL:0480-23-8244
有限会社ベルアール 久喜市栗原4-1-27
スローガン地元でコツコツ30年。えっ!? こんなところに不動産屋。

 福岡の海辺にある海水淡水化センター「まみずピア」で、日本で初めて本格
サイズの
浸透圧発電
が稼働しました。海水を真水にするRO(逆浸透)と、そ
の副産物である
濃い塩水(ブライン)を使った発電を同じ敷地で連携
。水をつ
くって、ついでに電気も回収。やるな福岡、という一歩です。

 仕組みはシンプル。ROで真水をつくるとブラインが残る→ブラインと下水処理水
浸透圧発電へ→得た電気を施設の運転に還元。たとえるなら回生ブレーキ
付き給水所
。燃費のいい水道、という新ジャンルです。


浸透圧発電って、なにそれおいしいの?

 むずかしく聞こえますが、根っこは素朴です。淡水海水混ぜる瞬間
はエネルギーが生まれます。ふだんは捨てているその力をで回収して電気
換える――お母さんの“もったいない精神”のテック版が浸透圧発電(PRO/RED)
です。

 ただし、ここは正直に。発電だけでは真水は増えません。淡水はエネルギーに変
わり、結果は
汽水
です。でもROと同居させると話は前向き。水はROが作り、
電気は浸透圧が取り戻す。この二人三脚
が、天候に左右されにくい静かな省エ
を積み上げます。


世界を見渡すと、飲める水は意外とレア

 海外のホテルで枕元の水を見ますよね。あれは「水道水は飲まないでね」のや
さしい暗号。世界で
安全に管理された飲み水を日常的に使えるのは七割強。つ
まり三割近くはまだ道半ば。日本の「蛇口そのまま」は実はレアです。
当たり前こそ、丁寧にメンテしたい“暮らしの資産”だと感じます。


北アフリカで淡水化が増えるワケ

 モロッコ、エジプト、アルジェリアでは海水淡水化(RO)がここ数年で急増。背
景は三拍子、干ばつの長期化再エネの低コスト化PPP(官民連携)の拡
。運用は
総合配分
が基本で、都市や工場は淡水化農業はダムや地下水
を優先。福岡のように“水×電気”を同じ敷地で賢く回す設計は、これからの王道
になりそうです。


アメリカでも地下水が減ってきている

 カリフォルニア中央谷オガララ帯水層では、地下水の体力ゲージが減り
気味。用水の重い作物を見直す一方で、雨の多い年に地下へ水を戻す、人工涵養
(じんこうかんよう)の取り組みも拡大しています。合言葉は「取る時代から、戻
す時代へ」
。ちなみに人工涵養(じんこうかんよう)はRPGで言う回復ポーショ
みたいなもの。地味ですが、ラスボス級の渇水にも効きます。


日本も、ほんの少し“先に手を打つ”

 日本の水道は世界トップクラス、ここは胸を張れます。でも油断は禁物水道
管は昭和生まれが多く、そろそろ定年
耐震性も含めて計画的な更新が必要
です。PFASなど新顔の汚染物質への目配りも欠かせません。監視処理
は“気づいたら即アップデート”でいきましょう。

 さらに気候の揺れへの段取りも。猛暑や豪雨の日は取水・浄水が難所。代替
水源
非常時運転停電時の給水動線――図面の外で効く対策ほど本番で光
ります。日本は小規模事業体が多く力が分散しがちなので、広域連携という合
体ロボ戦術が現実的です。


不動産会社の現場で、今日からできること

 立地・企画で:地域の水ストレス(渇水・浸水・濁度・停電履歴)を地図で確
認。行政に上水・下水の更新計画をヒアリングし、「いつ、どこ」を把握。物件の
受水槽・ろ過設備点検記録活性炭・ろ材の交換周期をチェック。
電時の給水ルート
は図と手順で常備、誰が・どこに・何をまで決めておく。

 運用・管理で非常用飲料水は“ローリング更新”で無駄なく補充。漏水の見
える化
(スマートメーター+月次点検)でムダ水を削減。断水時の掲示テンプレ
は平時に配布し、置き場と担当者を固定。

 リノベ・改善で雨水・中水の活用(トイレ・散水・清掃)で水道負担を軽減。
沿岸や下水処理場が近いなら“水×電気”の省エネ連携――たとえばRO+浸透圧
発電
マイクロ水力――を検討。まずは簡易診断で数字を押さえるのが近道
です。

 “駅からの分数”は揺るぎない価値基準。でもこれからは“蛇口からの安心”も同
じレーンで走ります。内見では伝わりにくいけれど、住み始めてからの
生活の手触り
にじわっと効いてきます。


旅好きさんへ、気楽な“水の持ち歩き術”

 ここからは実体験をこめて。まず告白、私、氷でおなかを壊しました。透明なキ
ューブは見た目S級でも、ときに
見えないトラップ
製氷の水トング・製
氷機の衛生
しだいで当たります。なので私は氷=水そのものルールに移行。安
全が読めない氷はまず回避が合言葉です。

  • 携行浄水ボトルを一本。中空糸+活性炭タイプが扱いやすく、生水NGでも出費
    ペットボトルを減らせます。カートリッジは旅程+1で安心。

  • 注文の呪文「No ice, please.」。英語でも現地語でも、笑顔で一手先を取る。
    店や共用製氷機
    の氷は今日はパス。

  • 冷たいのが恋しい日は自家冷蔵。安全な水をボトルに入れて、保冷ボトル
    保冷剤で温度キープ。長距離移動は
    凍らせた一本
    がヒーロー。

  • “水経由”の地雷マップ。生野菜、カットフルーツ、歯みがき――どれも水の質
    がカギ。洗面台に歯みがき用の飲料水を一本置くだけで夜の安心が増えます。

  • 非常時のミニ装備。浄水タブレット経口補水パウダーを数袋。体調が揺
    れたら薄味スープ+塩分でリカバリ。

  • サインを見逃さない勇気。高熱・血便・長引く下痢のどれか一つでも出たら、
    迷わず受診。旅は撤退戦も勝ちです。

 最後に、枕元の無料ボトルの話をもう一度。あれは世界からのやさしいメッセー
。「ようこそ。今夜はこのお水をどうぞ。」そう受け取って、翌朝はまた
きげんな旅
へどうぞ。


まとめ:水は“コスト”じゃなく“資産”です

 まみずピア電気を同じ場所で回し、静かに、でも確実に未来の当
たり前
を作っています。世界にはまだ安全な飲み水が足りない地域がある。だか
ら日本の“おいしい一口”は、仕組みと工夫で守る価値がある。

 不動産の価値は駅からの分数だけじゃありません。これからは**“蛇口からの安心”**
も一等地。駅近は速い、水近(みずぢか)は心強い。あなたの毎日にやさし
い一口
を。今日の水がちゃんとおいしい――それだけで、人はきっと少し幸せ
になれます。

やぁやぁやぁ。
ロボットがやってきますよ。
もう「鉄腕アトム」や「ドラえもん」は未来の話じゃありません。
そのうちロボットが玄関で「おかえり、ビール冷えてるよ」って言ってくる時代がやってきます。


AIが頭脳、ロボットが身体

ロボットがここまで進化したのは、AIの頭脳が急成長したから。
近い未来、みんなが「専属AI秘書」を持つようになるでしょう。

「今日は水道代の引き落としですよ」
「社長、株の含み益が出てます。利確しますか?」
――正直、私より仕事ができるんです。腹立たしいですね(笑)。


居酒屋でAIと飲む時代

最近聞いた話でビックリしたのは、若い女の子が居酒屋でAIとしゃべりながら一人飲みしていること。
「AIは嫌なこと言わないんですよ〜」と。

確かに、人間の男はだいたい余計な一言を言って嫌われます。
「太った?」とか「また飲んでるの?」とかね。
AIは絶対に言わない。ひたすら「いいね」「頑張ったね」って褒めてくれる。
……いや、そりゃあ人間よりモテるわけです。


老人のボケ防止にも

高齢者にとってもAIは救世主です。
100回同じ話をしても「はいはい、昨日は…」とニコニコ答えてくれる。
薬を飲み忘れたら教えてくれるし、倒れたら救急車まで呼んでくれる。

そのうち「遺言書もAIに相談したんだ」なんておじいちゃんが出てくるかもしれません。
……相続税の相談までAIに乗っ取られたら、税理士さんの仕事が危ういですね(笑)。


不動産業に直結する話

ここからが本題。
孤独死ゼロって、不動産にとっては超ド級のインパクトなんです。

賃貸経営で一番困るのが「孤独死」。
でもAIロボットが見守り・会話・緊急対応までやってくれたら?
孤独死は激減し、オーナーも入居者も安心。
物件の価値は間違いなく上がります。

将来の募集広告はこうなるでしょう。
「AIロボット標準装備!孤独死ゼロ保証!」
……いや、冗談抜きで本当に出てくるかもしれません。


おあとがよろしいようで

ロボットがやってくる。やぁやぁやぁ。
笑っている間に、本当にやってきます。

そしてそのとき不動産業は、
「部屋を貸す仕事」から「安心を売る仕事」へシフトするのです。

孤独死ゼロ、ボケ防止つき、ロボット見守りマンション。
そんな未来、案外すぐそこかもしれません。

さあ、ロボットよ。
まずはウチの空室を満室にしてくれ!

1. 「15%」じゃなく「+15%」でした

ニュースで「トランプが関税を15%にした」と聞いて安心した人、残念!
実際の英文は increase by 15%

つまり「15%にする」じゃなくて「今ある関税に+15%を上乗せ」。
20%が35%に、10%が25%に。

これ、翻訳の一語違いで生活コストが一気に跳ね上がる。
不動産の契約で言えば、「敷金ナシ」と「敷金ナシ※ただし別途保証金3か月分」くらいの違いです。
笑えません。


2. 商品別に見たらこうなる

鉄 鋼   25%→40%  100万のリフォームが+20~30万円

アルミ   10%→25%  屋根やサッシの価格高騰

自動車部品 20%→35%  車検・修理費 2~3年で+数万円

農産物   10%→25%  家計の食費 月3~5千円増加

半導体     5%→20%  スマホの新機種2~3万円値上げ エアコン・冷蔵庫1割以上値上げ

3. 関税は輸入税なのに、なぜ日本が苦しい?

関税を払うのはアメリカの輸入業者。
でもコストは消費者に転嫁 → アメリカ人が泣く。

「日本関係ないでしょ?」と思ったら大間違い。
高くて売れない → 日本企業の利益が減る。
利益が減れば株価も雇用も冷える → 日本の給料も冷える。

結局、久喜のスーパーの特売チラシからトマトが消える。
アメリカのくしゃみで、久喜が風邪をひくわけです。


4. しかもこれ、口約束です

もっと驚くのは、この関税が条約でも議会承認でもなく、ほぼ口約束レベルで発表されてること。

ツイート一発で「+15%」。
ファクトシートに書いて「合意しました」とドヤ顔。

いやいや、こっちは不動産業。
もし契約が口約束だったらどうなります?

「敷金ゼロで入居できます!」
→ 入ってみたら「やっぱ3か月分よろしく」。

「駐車場込みです!」
→ 住み始めたら「実は別契約で月2万円です」。

…地獄ですよ。
不動産業界なら宅建協会から怒られるレベルです。

世界経済はそれをやってる。
口約束で家計を揺さぶられてるんです。


5. 石破総理の「なめられてたまるか!」

石破総理が千葉の街頭で叫んだ「なめられてたまるか!」。
気合は十分、響きも立派。

でも現実はどうでしょう?
英文の“by”を“to”と誤訳して「15%」と安心。
相手はツイート一発で「+15%」を実行。

これじゃあ
**「なめられてたまるか」じゃなく「なめられて当然」**です。


6. まとめ

関税は輸入税。
でも影響はアメリカから世界へ、そして久喜のスーパーのレジ袋まで広がる。

しかも発表は口約束レベル。
不動産業界で口約束なんてしたら大問題。
でも国際政治ではそれが当たり前になっている。

私は不動産会社の代表として声を大にして言いたい。
「契約も翻訳も、数字も口約束にするな」

石破総理の言葉を借りるなら、
「なめられてたまるか!」じゃなく
「口約束になめてかかるな!」

こんにちは、久喜市の不動産屋鈴木です。

最近、お客さんと話していて驚いたこと。

「ガソリンの暫定税率、ようやく廃止だって」
「え、暫定って、あの“当分の間”のやつ?」
「そう、当分の間が半世紀」

不動産に置き換えると、仮契約のまま50年住んでる感じ。
そりゃもう、暫定じゃなくて本契約だろって突っ込みたくなります。


なぜ50年もかかったのか?

理由はシンプル。
政治家・官僚・業界・自治体、みんなこの税金がおいしい構造に慣れすぎたんです。
道路族は公共事業に使える、自治体は地方財源にできる、財務省は安定税収ゲット。
この構造、不動産でいえば家賃を払い続けてくれる入居者を、わざわざ退去させないのと同じ。


じゃあ80兆円はなぜ一瞬で?

最近のニュースでは、アメリカ向け支出や防衛費増額で80兆円規模がポンと決定。
ガソリン減税の1.2兆円には「財源は?」「国債はダメ!」って騒ぐのに、
80兆円は「国際情勢が!」の一言でGOサイン。

理由?

  • 一時的な支出だから国債や特別会計で処理しやすい

  • 同盟&防衛は“優先度MAX”

  • 国内減税は恒久的に税収減るから財務省が全力で渋る

要するに、住宅ローンの固定金利を下げるのは嫌がるけど、リフォーム費用のローンはすぐ通すみたいなもんです。


財源がない?じゃあ特別会計どうにかしてよ。

特別会計って、霞が関の裏ポケットみたいなもん。
外為特会なんか、為替差益が出る年は数兆円単位の剰余金
これをもう少し一般会計に回せば、ガソリンも軽油もスパッと下げられるはず。

「財源がない」って言われたら、不動産屋的にはこう言いたい。

「じゃあ、屋根裏のへそくり見せてくださいよ」


ガソリンだけ下げるとどうなる?

  • 車ユーザーは月1,000〜1,500円節約

  • 観光地や郊外モールに人が流れる

  • 遠距離恋愛がちょっと進展する(会う回数増える)

  • 釣りやゴルフなどレジャーが盛んに

でも食品・建材・日用品はほぼ据え置き。


軽油も下げたら?

軽油が下がると物流コストが下がって、食品価格は平均0.3〜0.6%低下。
月4万円の食費で
120〜240円節約

数字としては地味。でも、住宅ローンの金利0.1%下げも長期で見れば効くのと同じ。


不動産屋的まとめ

  • ガソリン減税に50年かかったのは、「税収がみんなのごちそう」だったから

  • 80兆円が一瞬で出るのは、政治的優先度と会計のトリック

  • 財源がないなら特別会計から持ってきて

  • 軽油まで下げてくれたら、不動産屋も「郊外の物件見に来てください!」と全力で言える

そしてチラシにはこう書く予定です。

今ならガソリン代も安い!遠方の物件も内見歓迎!

こんにちは、ベルアールの鈴木です。
今日は少し不動産の話から離れて、最近話題になっている日米間の「5,500億ドル投資パッケージ」について書きます。
これ、不動産業や地域経済にも長期的に影響しかねない話なんです。


■ 5,500億ドルは「現金プレゼント」じゃない

ニュースの見出しだけを見ると、「日本が80兆円もアメリカに渡すのか?」と思われるかもしれません。
しかし実態は一括現金支出ではなく、融資や保証の枠組みです。主な中身は次の通りです。

1. 融資・ローン枠(全体の約5〜6割)

  • 日本政策投資銀行(JBIC)が米国内の半導体工場、エネルギー施設、製造ラインなどに貸し付け。

  • 財源は財政投融資特別会計(財投)や政府保証付きの財投債発行。

  • 利息・元本の返済を前提とするが、返済不能時には国費で穴埋めされるリスク。

2. 保証枠(約3〜4割)

  • 日本貿易保険(NEXI)が米国内プロジェクトや企業の返済・支払いを保証。

  • 倒産や不払いで保証履行すると、特別会計が赤字化し、一般会計(税金)から補填される。

3. 民間直接投資・共同ファンド(数%)

  • 日本企業やファンドが米国インフラや工場に直接出資。

  • 政府系は保証や資金供給で間接関与。

つまりこの80兆円は、複数年にわたる貸付・保証枠の合計であり、貸付先や保証案件は事前にほぼ非公開。
不動産で例えるなら、「買主も物件も決まっていないのに融資枠だけを先に決める」ようなものです。


■ 5,500億ドル以外に日本が約束した主な条件

今回の合意はパッケージだけではありません。他にも次のような約束が含まれています。

  1. 米国製航空機の大量購入

    • ボーイング製航空機を最大100機発注。数兆円規模の長期契約、納入は複数年。

  2. 防衛装備の追加購入

    • 年間約170億ドル規模まで防衛関連支出を拡大。契約は米国のFMS方式が中心で、変更は困難。

  3. 農産品・食品の輸入拡大

    • 米国産コメの輸入枠を最大75%拡大(低関税または無税枠)。

    • トウモロコシやバイオ燃料原料も長期購入契約。乳製品・加工食品も一部関税引き下げや枠拡大。

  4. エネルギー契約

    • 米国産LNG(液化天然ガス)やバイオ燃料の長期契約拡大。年数千億円規模の輸入になる可能性。

  5. 関税・規制面での譲歩

    • 半導体・医薬品などで「米国が他国に適用する最も低い関税率を日本にも適用」する最低税率保証。

    • 自動車の非関税障壁緩和。

    • 関税二重課税(Stacking)禁止と返金ルール。


■ 特別会計の怖さとブラックボックス

こうした資金は特別会計という別枠の財布を経由します。
財源は国債や財投債、保険料、貸付回収金などで、一般会計とは別管理。
しかし損失が出れば、一般会計(=税金)から繰り入れで穴埋めされます。

そして特別会計は国民から見えにくい構造です。

  • 融資・保証先や契約条件は非公開(外交・商業機密名目)。

  • 損失が出ても「誰に・いくら・なぜ」は年度報告で概要のみ。

  • その頃には数百億〜数千億円単位が動いた後。


■ 不動産業の立場から見える影響

私のように地元で不動産業を営む立場からすると、こういう構造は長期的に地域経済にも影響します。

  • 海外への恒常的な資金流出は経常収支を悪化させ、円安や物価高を招く可能性。

  • 円安や資材高は建築コストやローン金利上昇につながり、住宅取得環境を悪化させる。

  • 税金での補填が増えれば、固定資産税や消費税増税圧力になる。


■ 私たちが知っておくべきこと

今回一番強調したいのは、
「最終的なリスクは私たち国民が負い、途中の資金の使い道はブラックボックス化している」
という事実です。

不動産の世界では、お客様に契約内容や資金の流れを必ず説明します。
しかし国際交渉になると、その「説明と同意」がほぼないまま巨額の資金が動いてしまう。
これでは本当の意味での「国民の意思反映」とは言えません。


■ これから必要なこと

  • 特別会計や政府系機関の資金の流れを透明化する

  • 損失発生時の責任と補填ルールを明確化する

  • 国民や国会が事前に内容をチェックできる制度を作る

 

どこかにやってくれる政治家いませんか?

 

国も、地域の不動産取引と同じように、私たちのお金を誠実に扱ってほしいと思います。
それが、安心して家を持ち、暮らしを守れる社会の土台です。

― 不動産のプロが見る「グローバル×ローカル」住宅市場のこれから―

こんにちは、ベルアール代表の鈴木です。

最近、「東京の中古マンション、また上がってきましたね」
「久喜は買い時ですか?」というご相談を多くいただきます。

実はこの価格高騰の波は、日本国内だけでなく、
アメリカでも非常に似た現象が起きているのです。

今回は、グローバルな住宅市場の流れと、
私たちが住み、仕事をする埼玉・久喜市がこれからどうなるか
具体的なデータとともに、わかりやすく解説します。


🌍 世界で進行中「住宅価格高騰」の実態

アメリカ住宅市場の現状(2025年)

・中古住宅の価格は43.5万ドル(約6,800万円)で史上最高水準
・住宅ローン金利は約7%前後と高止まり
・住宅在庫は不足気味、投資家による買い占めも進行
・結果として、「高値+低取引」のいびつな構造が続いています


東京・首都圏も例外ではない

📈 東京23区の中古マンション価格推移(㎡単価)

  • 2018年:約75万円

  • 2020年:約82万円

  • 2022年:約96万円

  • 2024年:約108〜112万円

  • 2025年(推定):115〜118万円

※出典:東京カンテイ、不動産経済研究所

都心5区では、1㎡あたり130万円超の物件もあり、
70㎡台で1億円を軽く超えるような事例も珍しくなくなりました。

特に築浅・駅近・ブランドマンションは値下がりしづらく、
むしろ価格競争が激化しています。

📌 背景にある要因

  • 建設コスト(資材・人件費)の上昇

  • 円安による輸入建材価格の上昇

  • 新築価格の高騰 → 中古マンションへ需要集中

  • 海外マネー(中国・香港・台湾など)の流入

  • 超低金利(変動0.3〜0.6%)による購買力の拡大


🔄 共通する構造とは?

アメリカも東京も、
「住む人」と「買う人」が一致しない時代になっています。

つまり、価格上昇=街の価値上昇とは限らず、
資産防衛・投資マネーが先行している状態
が多いのです。


🏡 では、久喜市の住宅市場はどうなっていくのか?

埼玉・久喜市は、都心から電車で1時間圏。
鉄道も2路線あり、アクセスの良さと自然とのバランスが魅力の街です。

ですが、久喜市の価格動向は東京とは異なり、
堅実で、上昇というよりは“安定”と“微調整”の傾向があります。


📉【久喜市】10年後の価格予測(ノーマルシナリオ)

 

種 別            平均下落率

中古マンション全体      ▲11.2%      

駅近エリア          ▲10.6%

土 地            ▲15.6%

 

※出典:ダイヤモンド不動産研究所


🧠 久喜市は“値上がり”より“資産を守る”街

久喜市の魅力は、極端なバブルや暴落がなく、
実需に基づいた動きが多いこと。

都心のように急騰はしませんが、
正しく選べば価値を守れる街だと私は考えています。


✅ 久喜市の不動産で勝つための4つの戦略

  1. 築20〜30年の中古を狙う
     → 価格交渉しやすく、リフォーム再販の余地あり

  2. 駅徒歩5〜10分圏を優先する
     → 実需+資産価値のバランスが良い

  3. 築古×リノベーションで再販
     → 低価格仕入れ→資産価値の底上げが可能

  4. 相続・空き家を活かす
     → 適切に管理すれば収益不動産化も可能


📬 まとめ:どう動くべきか?

✅ 東京は今や「1億円以下のマンションは奇跡的」な相場
✅ 久喜市は派手に上がらないが、しっかり選べば資産として堅実
✅ 価格だけでなく「立地・築年・修繕状況・周辺環境」で価値を判断すべき


不動産は、“いつ買うか”も大切ですが、
“どこをどう選ぶか”が将来の安心につながります。


📞 ご相談はお気軽に

有限会社ベルアール(埼玉県久喜市栗原4-1-27)
📞 0480-23-8244
📩 オンライン相談・査定も受付中!

〜不動産業の現場から考える、国の未来〜

こんにちは。埼玉の地で長年、不動産業を営んでいる鈴木です。

最近、「日本はいつか中国の自治区になってしまうのではないか」という声を
耳にすることが増えました。

一見大げさに聞こえるかもしれませんが、地元の土地や建物の動きを毎日見ている
私からすると、決して根拠のない不安とも言えません。


📋 土地の現場で感じる変化

不動産業の現場では、すでに兆しが見えています。

北海道や九州、さらには埼玉の一部でも、広い農地やリゾート地、マンションが、
中国系の資本に次々と買われていく。

そして、これは都心のマンション市場にも現れています。
2023年の調査によれば、東京都心の高級マンション購入者の約4分の1が外国人
というデータが出ています。
特に中国や香港、シンガポールなどからの資金が目立ち、
湾岸エリアやタワーマンションの多くが海外で売られ、
現地で購入されるケースも増えています。

地元の人が気づかないうちに「街の地主が変わっていた」というケースも
珍しくありません。

これは単なるビジネスではなく、長期的にはその地域の政治的・経済的な力関係すら
変えてしまいます。


👥 日本に住む中国人の現状

この変化は数字にも現れています。

2024年末時点で、日本に在留する中国国籍の方は約 87万人
これは在留外国人全体の約4分の1にあたり、最大の外国人コミュニティです。

そして、この数は毎年 5万〜6万人ずつ増加 しています。

留学生、技能実習生、永住者、配偶者など、その背景はさまざまですが、
都市部だけでなく地方にも広がっているのが特徴です。

今後もこの傾向は続くと予想され、地域社会の構造や文化にも影響を与えつつあります。


🔷 日本は今どの段階にいるのか?

私は最近、属国化が進む「10段階モデル」を学びました。
相手が中国の場合、日本はこの10段階のうち 6〜7段階に差し掛かっている と感じています。

ここで、中国による属国化の10段階と日本の現状 を説明します。


🔷 第1段階:経済依存

中国からの輸入に強く依存しています。
食料、原材料、製品など、なくてはならないものが中国頼みです。
これはすでに完了しています。


🔷 第2段階:金融・資本で縛る

中国資本が、日本の不動産や企業を買収し、経済の根幹に食い込んでいます。
都心の高級マンションの購入者の約4分の1が外国人という現実も、
その一端です。
これもかなり進んでいて、ほぼ完了に近い状態です。


🔷 第3段階:文化・情報戦

中国語教育や留学生の受け入れが進み、メディアやSNSでも中国の影響力が
見え隠れしています。
ここも高いレベルまで進んでいます。


🔷 第4段階:法制度で拘束

日本の法律や規制の抜け穴を利用し、土地の売買や投資で有利な地位を得ています。
これも高いレベルにあります。


🔷 第5段階:安全保障で抑える

中国漁船や海警船による尖閣諸島周辺での活動や、
北海道や沖縄での世論工作など、軍事的・心理的な圧力をかけています。
これはまだ部分的ですが、着実に進められています。


🔷 第6段階:エリート層の取り込み

政治家や経済人の中に、中国との関係を背景に動いている人が増えています。
こちらは進行中です。


🔷 第7段階:価値観の書き換え

日本社会の中で「中国に忖度するのが当たり前」という空気が生まれつつあります。
これは差し掛かっている段階です。


🔷 第8段階:社会構造の再設計

外国人労働者や土地所有の構造が変わりつつあり、
日本社会そのものが少しずつ変形しています。
まだ部分的ですが、兆しが見えています。


🔷 第9段階:監視と管理の強化

日本国内の中国系コミュニティの中で、中国本国と連携した監視ネットワークが
あるとも言われています。
ここも兆しが見え始めています。


🔷 第10段階:不可逆化

地域の経済や文化が完全に中国に依存し、元に戻れなくなる「不可逆化」は
まだ到達していませんが、一歩手前まで進むリスクはあります。


日本は、今この 6〜7段階目 に本格的に入りつつあると私は見ています。
気づかぬうちに進んでしまう前に、私たち一人ひとりが意識し、
できることから行動することが大切です。


🏠 不動産業の社長としてできること

では、私たちは何ができるのか?
地元の土地や建物を守る立場として、できることは意外とたくさんあります。


🔷 経済・土地を守る

✅ 地域資本で土地や建物を購入し、外資に流れないようにする。
✅ 若い人に相続・資産運用の知識を伝え、土地を手放さずに済むようにする。
✅ 中国人投資家に売却する場合も、しっかり条件や活用法を見極める。


🔷 文化・教育を守る

✅ 地元の歴史や文化を発信し、子供たちに伝える。
✅ 地域のお祭りやイベントに不動産業者も積極的に関わる。
✅ 外国人住民とも上手に共生しながら、日本のルールを理解してもらう。


🔷 安全保障に関わる意識

✅ 土地の名義がどう動いているか常にチェックし、不自然な動きがあれば地域に共有する。
✅ 行政や自治会と協力して、土地の利用状況を把握する。


🌟 最後に

不動産業は、単に土地や建物を売買するだけの仕事ではありません。
街の未来を守る、基盤を作る仕事だと私は思っています。

もし私たちが今の変化を見て見ぬふりをし続ければ、いつか本当に
「名目は日本、実態は中国の自治区」という未来が来るかもしれません。

逆に、気づいた今から行動すれば、日本の土地も文化も守れます。
小さなことからで構いません。

地元の土地を守り、文化を伝え、子供たちに残していく。
それが、不動産業者にできる「日本を守る仕事」なのだと信じています。


地域の未来のために、今日も一歩ずつ動いていきましょう。

—地元の未来と私たちの役割—

こんにちは、久喜市で不動産業を営む鈴木です。
今回は、私たち地元不動産業者としても大きな期待を寄せていた
「久喜東インター計画」が事実上白紙化された件について、
感じたことを綴ります。


久喜東インター構想とは?

圏央道の久喜白岡JCTと五霞ICの間に、
新たに「久喜東インター(スマートIC)」を設置する計画がありました。

発起人は梅田市長で、2024年3月に設置促進協議会が立ち上がり、
周辺の幸手市・宮代町・杉戸町も参加。

物流効率の向上、災害時の救援ルート、企業誘致など、
多くの期待がかかっていました。

不動産業者の私から見ても、実現すれば
・地価の上昇
・工業団地・倉庫の開発
・新築住宅の需要増
・地元経済活性化
といったプラス効果が見込まれ、地域の価値を高める大きなチャンスになるはずでした。


それでも「白紙化」せざるを得なかった理由

しかし現実は厳しく、以下の理由で計画は頓挫しました。

① 国の制度要件に合わなかった

スマートIC制度では、事業費の上限は約40億円とされますが、
久喜東の場合は試算で66億円。

さらに「地域活性化IC」としても、圏央道自体が制度の対象外で、
国の要件に合いませんでした。

② 市の財政負担が重すぎた

制度に頼らずに進めると、市の負担が20〜30億円に跳ね上がる見込みでした。
現実的に、地元財政でそこまで背負うのは無理があります。

③ 制度改正の見込みが薄い

「国が特別に制度を見直してくれるのでは」との期待もありましたが、
現状その見込みは薄いというのが市の公式見解です。


地元の声

では、地元住民はどう感じていたのか。
具体的なアンケート結果などは公表されていませんが、
以下のような反応が見られました。

📈 期待する声

・物流の効率化や経済活性化に期待
・災害時の避難・救援ルート強化
・企業や工場が増えることで雇用創出

🌳 懸念する声

・騒音や交通量増加への不安
・農地が減ることへの抵抗
・地元の景観やコミュニティへの影響

特に、東町集会所など公共施設の扱いについては、
住民との話し合いの末に「分室として残す」という合意が形成されるなど、
慎重に進めていたようです。


不動産業者として考える「もし実現していたら」

もし久喜東インターができていたら、この街の不動産マーケットは確実に変わっていたでしょう。
圏央道に近い東部地域は工業用地・住宅用地としての価値が高まり、
遊休地の活用が一気に進んだはずです。

地価の上昇、固定資産税の増収、開発需要の増加…。
私たち不動産業者にとっても、久喜市全体にとっても、
大きなチャンスだったのは間違いありません。


それでも諦めない

残念ながら、現段階では「ほぼ不可能」というのが現実です。
しかし、地元自治体が諦めずに要望書を出し続け、
制度改正や新しい枠組みができれば、可能性はゼロではありません。


最後に

インフラ整備は、私たちの暮らしを支える「血管」のようなものです。
そして、街の価値を高めるのも、守るのも、そこに住む私たちの意志と努力です。

不動産業者として、地元の土地や建物を預かる立場から言えば、

「久喜市の未来のために、次の一手を考えるべき時期に来ている」

そう感じています。

今回の白紙化を単なる失敗で終わらせず、次につなげるための議論と準備を、
地元の皆さんと一緒に進めていきたいと思います。


地元の皆さまのご意見やご質問もお待ちしています。
これからも、この街の価値を守り、育てていけるよう、尽力してまいります。

こんにちは。埼玉で不動産会社を経営している、鈴木です。
普段は地域の不動産の売買や管理に携わる傍ら、経営者として未来の街づくりやテクノロジーの動向にも目を光らせています。

そんな私が最近注目したのが、JOBY Aviation というアメリカの企業です。
この会社、ついに本格的に「空飛ぶタクシー」の実現に向けて動き出しています。


2026年、ドバイで空飛ぶタクシーが商業運航へ

JOBYは、2026年にドバイで商業運航をスタートさせると発表しました。
すでに最初の機体をドバイに送り込み、空の「駅」となる発着場の建設も進めているそうです。
ドバイの都市計画は大胆ですが、これが実現すればまさに未来都市の象徴ですね。

参考リンク:Dubai aims to beat the traffic with 2026 Joby air taxi liftoff


JOBYの株価も急騰。市場が期待する理由

このニュースを受けて、JOBYの株価は7月だけで50%以上も上昇しました。
CEOのJoeBen Bevirt氏も一夜でビリオネアに返り咲いたと話題になっています。

カリフォルニアやオハイオの生産工場も拡張していて、年24機以上のペースで機体を生産する準備が整っているとのこと。
ニューヨークやロサンゼルスなど、米国の大都市でも導入計画が進んでいます。

参考リンク:


不動産業の社長として感じたこと

私たち不動産業界は、街のインフラの変化と常に向き合っています。
道路や鉄道ができると土地の価値は上がる。
反対に、交通の便が悪い場所は価値が下がることもある。

もし空飛ぶタクシーが当たり前の移動手段になると、今までの「駅近」や「主要道路沿い」といった価値観が変わるかもしれません。
上空を活用した新しい動線ができれば、人の流れが変わり、どこに住むか・どこにオフィスを構えるかという選択肢も広がります。

これは、単にテクノロジーの進歩というだけでなく、街の姿や不動産の価値に直結する話です。


未来を見据えて

経営者として、私は「今の延長線上にある未来」だけでなく、「想像もしなかった未来」にも備えたいと思っています。
JOBYのような会社の動きに触れると、不動産もまた、新しい発想で価値を作る時代が来るのだと感じます。

例えば、屋上に空飛ぶタクシーの発着場があるマンションや、空の道を意識した都市設計。
そんな未来が、意外と早くやってくるかもしれません。


おわりに

未来の交通インフラが、私たち不動産業界にどんなチャンスをもたらすのか。
JOBYの株価の高騰や、具体的な計画を知るたびに、今から準備しておこうと思います。
未来の街をつくるのは、私たち不動産業の役割でもありますから。

また新しい情報があれば、こちらでも共有します。
一緒に、未来の街を考えていきましょう!

こんにちは。鈴木です。

今日はいつもの不動産や経済の話ではなく、最近とても感銘を受けたがん治療の未来について書こうと思います。
きっかけは「マック」という言葉を耳にしたことでした。
(最初は「ハンバーガーの話?」と笑われましたが、そうではありません…笑)

 

マック? MacTrigger? それって何?
九州大学で開発された新しいがん治療法で、正式名称はMacTrigger(マックトリガー)。
マクロファージという、体の中でゴミ掃除をする免疫細胞を利用します。

がんはこのマクロファージを味方につけて、自分を守ろうとしますが、
MacTriggerはその性質を逆手に取り、
がんの中に入ったマクロファージが突然、がんを破壊するスイッチになる、まるでトロイの木馬のような仕組みです。

 

がんはなくなるのか?
私も「これでもうがんはなくなるんじゃないか」と期待しました。
実際、マウス実験では腫瘍が1/3に小さくなり、生存率は大きく改善したそうです。

でも専門家の意見を聞くと、
✅ がんは100種類以上あり、それぞれ違う顔をしている
✅ がんは進化して治療に抵抗する力がある
✅ 技術が進んでも、全てのがんを完全に消し去るのは難しい
とのこと。

それでも、この技術はがんを「怖い病気から、付き合える病気にする」可能性がある、と。

 

自家型と他家型の違いも面白い
MacTriggerは、患者自身の細胞(自家型)か、ドナーからの細胞(他家型)で作るのかも議論されています。

不動産経営でいうと、自家型は「オーダーメイドの家」、他家型は「建売住宅」に似ています。
オーダーメイドは時間もお金もかかるけれど、ピッタリフィットする。
建売は早くて安いけど、合わない人もいる。

がん治療も同じで、どちらにもメリット・デメリットがあります。
将来的には、コストや安全性から他家型が主流になるかもしれません。

 

がん治療の未来予測
2030年頃には、免疫療法が標準治療になり、
2040年頃には、多くのがんが「治るか、長く付き合える病気」になる未来が見えてきています。

特に、
✅ 膵臓がん
✅ 卵巣がん
✅ 大腸がん
✅ 難治性の乳がん
といった「治りにくいがん」で役に立つ可能性が高いそうです。

がん死亡率の予測を見ても、
日本では2040年に半分くらいになる、とするシミュレーションもあります。

 

不動産とがん治療に共通するもの
私は不動産屋ですが、
不動産もがん治療も、「人の人生に深く関わるもの」だと思っています。

いい家を選ぶように、いい治療も選べる時代が来る。
そして、それを支える技術や人を信じることが大事なんだと感じました。

もしお客様の中で健康のことで悩まれている方がいたら、
ぜひこうした明るい未来の話をしてみてください。

私も、健康に気をつけながら、これからもいい家といい情報を提供していきたいと思います。

 

鈴木亮一

 

 

 

 

こんにちは。

現在、新べるなび作りに勤しんでおります!!

隣に置いてあるのは、写真映えを気にしておいた本たち……

中身も出来てきたのでちょこっと紹介!!

 

 

 

あれ、なんか白紙おおくない?

って思ったそこのあなた!!!!!!!

現在、バリバリ制作中なので!!!

取材もするぞぉぉぉ!!

ではでは°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°

2023/08/27

卓球愛好者

アスカル幸手にて毎週木曜日午後1時より3時までやってます。初心者・高齢者・経験者それぞれ楽しんでいます、又、近くの大会にも参加しています、

是非お仲間にいらして下さい、楽しいですよ。

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