成田に並ぶ「アルファードの墓場」が教えてくれる、日本経済デトックスの真実
成田空港の周辺を車で走っていると、異様な光景に遭遇する。 民間駐車場の片隅、あるいは 雑草の生い茂る空き地に、埃を被ったアルファードやハイエースが、まるで見捨てられた軍勢 のようにズラリと並んでいるのだ。中にはナンバープレートが外され、タイヤの空気が抜けた まま放置されているものもある。 世間のニュースでは「インバウンド復活」だの「日中関係の変化で経済的損失が数兆円」だ のと騒がしいが、この道30年の不動産屋の目から見れば、あの「アルファードの墓場」こそが、 今起きていることの「正解」を物語っている。 「日本に金が落ちる」という幻想の正体テレビのコメンテーターは「客が来なくなると観光地が悲鳴を上げる」と言う。だが、現場の 泥臭い商売を知る人間は皆、冷ややかな目でそのニュースを見ている。なぜなら、彼らの観光ス タイルは徹底して日本を介さない「クローズド・ループ(身内だけの完全循環)」だったからだ。 思い出してほしい。彼らが日本に来る時、どこの航空会社を使い、誰の車に乗っていたか。
つまり、彼らが日本でどれだけ金を使おうが、日本の懐に入るのは、せいぜいコンビニの飲 み物代と、彼らが街中に捨てていったゴミの処理費用くらいなものだ。利益のほとんどは本 国へ還流する。「爆買い」の熱狂に隠れて、日本は「場所を貸して掃除をさせられるだけ」の 存在に成り下がっていた。 監視強化という「強力な解毒剤」昨今の安全保障の観点からの監視強化や、不正な土地取引へのメスが入ったことで、この不 透明なマネーの流れがピタリと止まった。 監視の目が厳しくなれば、真っ先に逃げ出すのは「後ろ暗い商売」をしている連中だ。白タ ク業者は車両の維持費や処分費を払うくらいなら、車両を空き地に乗り捨てて逃げ帰る道を選 んだ。成田周辺の「アルファードの墓場」は、不健全な寄生虫が宿主(日本)から一斉に剥が れ落ちた跡なのだ。 これを「経済の損失」と呼ぶのは間違いだ。 これは、体内に溜まった毒素が可視化され、排 出される「デトックス(解毒)」のプロセスに他ならない。 30年、現場を見てきたからこそ言えること不動産業界も同じだ。実態のない需要で釣り上げられた「砂上の楼閣」は情勢一つで崩れ去る。 だが、彼らがいなくなって誰が困るのか?困るのは、法を無視して小銭を稼いでいた業者だけだ。 一方で、地元で真面目に暮らす人々にとっては、むしろメリットの方が大きい。
不健全な需要が去った後、最後に残るのは「本物」だけだ。 30年、この埼玉県久喜市で不動産屋を やってきたが、今ほど空気が澄んで見えることはない。 不純物が取り除かれた後の日本には、必ず新しく、そして健全なチャンスが芽吹くはずだ。 デトック スが終わった後の、この清々しい静寂の中で、私は次の一手をじっくりと練ることにしよう。 |








