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2026/05/05

私たちが世界で歓迎される理由。「おかげさま」で繋がる海の道

 先日、ニュースで「いでみつまる」が、緊張の続くホルムズ海峡を無事に通過したという

報せを目にしました。その映像を見ながら、私の胸に去来したのは「当然、無事に通れるだ

ろう」という、不思議なほどの確信でした。なぜ、これほどまでに信じられたのか。その答

えを探していくと、一冊の本――『海賊とよばれた男』に辿り着きます。

 

伝説の「日章丸」が、イランにとって「希望」だった理由

 かつて、世界を敵に回してでも「義」を貫いた一隻の船がありました。1953年、英国艦隊が

封鎖するアバダン港へと強行突破を試みた「日章丸」です。

 当時の日本も苦境にありましたが、それ以上に絶望の淵にいたのがイランでした。自国の貴

重な資源である石油を英国の巨大資本に独占され、反旗を翻せば「一滴の油も売らせない」

世界から経済封鎖を受けていたのです。

 そこへ、撃沈の恐れを冒して現れたのが、日本の小さな民間企業が放った日章丸でした。 世界

中の船が英国を恐れて背を向ける中、丸腰でやってきた日本船を見て、イランの人々は熱狂しま

した。「日本人が、我々の正義を認めてくれた」「同じアジアの国が、巨大な権力に立ち向かって

くれた」と。

 アバダン港に入港した日章丸を、イランの人々は花束と大歓声で迎えました。あの航海は、単

なる石油の買い付けではなく、抑圧されていた国々に「自分たちの力で立ち上がれる」という希

望を灯した、歴史的な事件だったのです。

 

世界に眠る「信頼の貯金」

 こうした歴史があるからこそ、中東の地では今も「日本」という名が特別な響きを持って受け

入れられています。そしてこの「信頼の貯金」は、他の国々にも脈々と受け継がれています。

 例えば、トルコ。1890年のエルトゥールル号遭難事件以来、130年以上続く両国の友情は、

1985年のイラン・イラク戦争時にトルコ航空が日本人を優先して救ってくれた「恩返しの連鎖」

へと繋がっています。

 あるいは、ジョージア。日本から寄贈された中古の消防車や救急車が今も街を走り、人々の

命を守っている光景に出会います。かつてジョージアの大使は、日本を「普通の人が、高いレベ

ルで責任を果たす『社会人』の国だ」と評しました。

 異国の地で私が笑顔で迎えられる時、それは私よりずっと前に、誠実さを積み上げてきた

先人たち、そして世界中の尊敬を集める天皇陛下の歩みが築いてくれた「信頼」が、今の私

達を守ってくれているのです。

 

「当たり前」の裏にある「おかげさま」

 「いでみつまる」が静かに海を渡る。 私たちが海外で胸を張って歩き、温かく迎えられる。

これらを「当然」のことだと思える幸せの裏側には、語り尽くせない先人たちの「徳」が隠

されています。

 私はこの埼玉県久喜市で30年、不動産業を営んできました。どんな仕事も、どんな投資も、

自分一人の力で完結するものなど一つもありません。常に、誰かが切り拓いてくれた道の上を、

私たちは歩ませてもらっている。

 穏やかに進む巨大な船影を見ながら、私は改めて「おかげさま」という言葉を噛み締めて

いました。

 この「信頼の航路」を汚すことなく、さらに太いものにして次世代へ繋いでいく。それが、

今を生きる私たちの役割ではないでしょうか。

 皆さんは最近、どんな「おかげさま」を感じましたか?

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